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現在実施されている工事の状況などの情報を公開しています。
令和元年10月台風第19号により、鳴瀬川水系吉田川では、堤防決壊、越水、溢 水により事業所、家屋等の浸水等、甚大な被害が発生しました。 この災害に対して、関係機関が連携しとりまとめた「吉田川・新たな水害に強い まちづくりプロジェクト」を踏まえ、国・県が連携し、築堤、河道掘削等の治水対策 を概ね5年で実施します。
大型で強い台風第19号の影響により東北地方の太平洋側で非常に激しい降雨となり、10月12日19時50分に大雨特別警報が発表されました。 鳴瀬川流域の6雨量観測所で観測史上1位を記録し、また同流域の16水位観測所のうち11観測所で既往最高水位を観測しました。 鳴瀬川水系吉田川では、33地点で越水・溢水が確認され、10月13日午前7時50分頃には吉田川左岸20.9km付近(黒川郡大郷町粕川字伝三郎)にて堤防が決壊し約5,600haの浸水被害が発生しました。
詳細はこちらをご確認ください。台風19号に伴う降雨による出水概要
10月13日00時時点
出典:気象庁大雨・洪水警報 気象特別警報の発表状況10月12日23時時点
引用:気象庁ホームページ
〇堤防整備(引堤)・・・粕川地区堤防整備のイメージ
〇河道掘削
吉田川の土砂を掘削し、川の断面積を大きくすることで水を流れやすくします。上下流の流下能力のバランスを考慮しながら下流側から順に掘削をします。掘削した場所だけでなく上流側の水位の上昇を抑える効果もあります。
発生した土砂は、鳴瀬川並びに吉田川の堤防の盛土などに活用します。再利用によりコストの縮減を図ります。
〇堤防の整備(掘削土の有効活用)
吉田川で掘削した土砂を鳴瀬川中流部のかさ上げ工事に有効活用します。堤防の高さを高くするとともに分厚くし、堤防を強化します。
平成27年9月関東・東北豪雨により、吉田川において甚大な被害が生じました。
これを踏まえ平成28年11月に変更した鳴瀬川水系河川整備計画に基づき、平成27年9月関東・東北豪雨と同規模の洪水に対し吉田川上流部において床上浸水被害を解消するため、遊水地群の整備や河道掘削・築堤整備を行います。
また事業の推進にあたっては、宮城県や大和町・大衡村と連携し、流域一体となった河川整備に取り組んでいきます。
平成27年9月太平洋側を中心に広い範囲で、線状降水帯が停滞し、局地的に猛烈な雨となり、吉田川では、5箇所で越水、吉田川上流部では溢水が発生するなど、甚大な被害となりました。
河川整備計画に基づき、吉田川三川合流部上流区間において、河道掘削、築堤及び遊水地群を整備します。
○越流堤(えつりゅうてい)とは?
洪水調節の目的で、堤防の一部を低くした堤防です。越流堤の高さを超える洪水では、越流堤から洪水の一部分を調節池などに流し込む構造になっています。ですから、越流堤は流れの作用で壊れないよう表面をコンクリートなどで覆い、頑丈な構造となっています。
○地役権(ちえきけん)とは?
地役権は、民法の第280条以降に規定されており、土地所有者間の利用調整を目的とするもの。
具体的には、地役権者は、自己の土地利用の便益のため、目的に従い、他人の土地を利用することができる権利。
今回は、便益を受ける土地は越流堤に係る土地(要役地)となり、土地利用の制約を受ける土地は遊水地内の農地等(承役地)となります。
今回の地役権設定の目的
①越流堤の設置に起因する浸水及び冠水の認容
②遊水地の機能の保全の妨げとなる工作物の設置その他の行為の禁止
国が「遊水地群の建設、河道整備」、宮城県が「河道整備」を実施した場合、平成27年9月関東・東北豪雨と同規模の洪水に対して、越水による床上・床下浸水被害が解消されます。
平成27年度災害対策等緊急事業推進費により、吉田川三川合流部下流区間において、越水による家屋浸水被害などの再度災害防止を目的に、先行して河道掘削を実施しました。
更なるハード対策として、吉田川三川合流部上流区間では、国が「遊水地群の建設と国管理区間の河道掘削・築堤」、県が「県管理区間の河道掘削・築堤」を実施することとして、河川整備計画を変更しました(国:平成28年11月、県:平成28年12月)。
減災対策としては、「鳴瀬川等大規模氾濫時の減災対策協議会」にて取組方針を取りまとめ、国・県・市町村が連携してソフト対策(防災教育・防災啓発イベント等)を実施しています。
比較写真
左岸
右岸
舞野大橋条件護岸
上舞野地区
大浦地区
鳴瀬川中流部の現況堤防は、計画断面に対して、高さ・幅が不足する暫定的な堤防となっています。また、河道断面(洪水が流れる断面積)も不足しています。このため、鳴瀬川中流部の河道掘削を集中的・効率的に行い、流下能力向上を図るほか、弱小堤の強化なども合わせて実施します。
河道掘削 |
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7.6k~30.7k |
堤防強化(堤防拡築) |
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沿川の保全すべき資産が大きく水害の危険性が高い地区において、完成目標年次を設定して、予算の重点投資による短期集中型事業を実施し、治水事業効果の早期発現を図ることとした区間です。
現在の鳴瀬川中流部は、概ね10年に1回発生する洪水に対応できる程度の安全度であり、他地域に比べて低くなっていることから、河川整備計画の目標である昭和22年9月のカスリン台風による洪水相当を安全に流下させるための川づくりを進めます。 そのため、河道掘削および掘削土を活用した築堤(堤防嵩上げ・断面拡幅)を実施し、洪水流下能力の早期向上を図ります。
鳴瀬川中流区間において河道掘削および堤防強化を実施することにより、鳴瀬川の洪水位を低下させることができます。このことによって、新江合川を通じて江合川の洪水をより多く分流することが可能となり、江合川の治水安全度の向上も図られます。
鳴瀬川の河道掘削を行い断面を広げます。この掘削した土砂は、堤防の盛土に使用します。 この土砂の再利用によって、コストを縮減できます。