寒河江ダムの概要

管理設備(寒河江ダム)

主な寒河江ダム管理設備の概要説明です。

放流設備

オリフィスゲート

  • 洪水調節時に使用するゲートで、洪水吐に2門設置されています。 計画降水量2,000m³/sの流入時には、計画最大放流量300m³/sを放流することにより、1,700m³/sをダムに貯めて洪水調節を行います。 ゲートは、扉体上部に設置した油圧シリンダにより開閉を行います。

  • オリフィスゲート

クレストラジアルゲート

  • 非常用の洪水吐きゲートで、洪水吐きに2門設置されています。 ダムへの流入量が計画規模を超える洪水量となる場合に使用し、洪水時最高水位では約840m³/sを放流します。 ゲートは、開閉装置でワイヤロープを巻き上げ·巻き下げすることにより開閉を行います。

  • クレストラジアルゲート

クレストフラップゲート

  • 非常用の洪水吐きゲートで、洪水吐きに4門設置されています。 ダムへの流入量が計画規模を超える洪水量となる場合に使用し、洪水時最高水位では約520m³/sを放流します。 このゲートは、ダム用としては国内で初めて採用された油圧起伏式のフラップ構造で、扉体下部の油圧シリンダーにより起立·倒伏する構造となっています。

  • クレストフラップゲート

放流バルブ

  • ダム下流への各種用水の供給、貯水位の維持操作及び洪水時の洪水調節に使用するバルブで、導水管内に3門設置されています。 1号バルブは初期放流時に使用し、2号及び3号バルブは30m³/sまでの放流に使用しています。 バルブ内にはゲートが設置されており、電動スピンドルまたは油圧シリンダにより開閉を行います。

  • 放流バルブ

選択取水設備

取水設備

  • 取水設備は、河川環境の保全、農業用水、水道用水、発電及び水位低下のための設備で、取水ゲートは取水塔内に2門設置されています。 かんがい期における冷水対策や洪水時の濁水対策を考慮した選択取水方式で、最大95m³/sの取水が可能になっています。 取水ゲートは、5段の門扉を上下させて設定した水深より取水を行います。

  • 取水設備

観測設備

水文観測設備

  • 寒河江ダムの管理には、流域の雨量、流量、水位などの水理、水文情報の観測及び迅速なデータ収集が不可欠です。 又、当地域は積雪地でもあるため雨量計、水位計のほか積雪計を設け、融雪出水にも備えています。 さらに冷水、濁水対策を考慮して、ダム上流、貯水池、ダム直下流にそれぞれ濁度計、水温計を設置して、観測体制を備えています。

  • 総合気象観測装置

    総合気象観測装置

  • 観測データ表示装置

    観測データ表示装置

  • 雨量観測所

    雨量観測所

ダム堤体観測設備

  • 寒河江ダムに水を貯めているときは、堤体に非常な大きい力で働いています。 この貯水に対してダムは安全でなければいけません。 この堤体の安全を確認するため、堤体の外部変形や、浸透流量など様々な観測とともに堤体内部の巡視、点検を行っています。 また、地震計を設置して、加速度を観測しており、震度に応じて堤体を随時点検することにしています。

  • 浸透流量観測装置

    浸透流量観測装置

警報設備

放流警報設備

警報所は、寒河江川沿いに最上川合流点付近の約30kmの区間に19箇所設置しています。 この施設は、ダム統合管理事務所から無線回線等による遠隔制御を行って、洪水調整等放流操作に伴いサイレン、スピーカー、電光表示等の放流警報を実施するものです。 ダム放流情報を流域住民等に知らせ、川の中での水の事故等から守ります。

  • 放流警報表示板

    放流警報表示板

  • 放流警報所

    放流警報所

ダム放流警報立札

寒河江ダム(国土交通省)、水ヶ瀞ダム(東北電力)における危害防止の処置として一般に周知するために設置されている立札です。

寒河江ダム・水ヶ瀞ダム一般周知立札位置図 1/3(PDF:4.0MB)

寒河江ダム・水ヶ瀞ダム一般周知立札位置図 2/3(PDF:4.5MB)

寒河江ダム・水ヶ瀞ダム一般周知立札位置図 3/3(PDF:4.5MB)


電気通信設備

ダム放流制御処理装置

  • 雨量、水位、貯水位などの各種観測データをオンライン入力、演算処理し、ゲートの開度や放流量の計算を行い、ゲートを制御するものです。

  • ダム放流制御処理装置

管理用発電設備

  • ダムに貯えられた水が持つエネルギーを有効に活用した水力発電設備を設置し各種ダム管理設備へ電力を供給するとともに、余剰電力は電力会社等に売電しています。 このほか、停電時等に稼働する非常用発動発電装置も設置されています。

  • 管理用発電設備