現在鳴子ダムでは、洪水になったときには、主に洪水吐きゲートを操作し、できる限りダムに水を溜めて、下流に流れる量を調整しています。
しかし、その洪水吐きゲートが動かなくなったらどうでしょう。下流へ流す量を少しずつ減らしていこうとするとき、ゲートが動かなければ、洪水調節効果はなくなってしまいます。もちろん、今の施設でも、十分に点検整備されていますが、なにぶん機械ですので、絶対に大丈夫ということはいえません。
そこで、もう一つ洪水吐きゲート(予備ゲート)を作り、もしもゲートが閉まらなくなったとしても、もう一つのゲートで対処しようということが施設改良事業の考えなのです。
ダムの一番の目的は、治水(洪水からみんなを守ること)です。もし、ダムがあっても、ゲートが十分に動作しなければ、ダムの効果はなくなってしまいます。
そのためにも、できる限り早く、予備ゲートを設置しようというのが施設改良事業です。
施設改良事業は、ダム湖内で工事をすることから、利水(農業用水など)に影響がないように、時期を選んで、貯水位を調整しながら工事しなければいけません。どうぞみなさんのご理解をお願いします。
全体図 | |
開閉装置設置前 | 開閉装置設置後(予想図) |
副ゲートの新設工事は、現洪水吐きゲート直下流にステージを構築し、クローラクレーンを配置して行う。資材・ 機材・掘削ズリ等の搬出入路は現管理用道路を利用するものとし、重機の通行を可能とするように一部改良を行う。管理用道路改良とステージは永久構造物とし て施工し、今後の維持管理用施設として活用する。施工手順を以下に示す。