道路のはじまり
道はいつも人とともにありました。新しい道がつくられことで、人がそこを通らなくなったとき、道もその役目を終え、しだいにさびれてゆきます。人が利用してこそ「道」なのです。
ですから、道ができたのも人が活動を始めたころといえます。水や食糧をとるために川や山へ行くとき、人々は迷わないように木の幹に印をつけるなどして、何度も同じところを通っていました。動物が通ってできた「けもの道」を歩いたりもしました。そうして踏み固められた地面は歩きやすくなっていますから、多くの人が通るようになり、自然に道ができたのです。
いまでは、自然にできた道だけでなく、便利に移動できるように計画的に道路がつくられるようになりました。大きな道路にはガードレールや横断歩道、安全標識などもつくられ、人と車が安全に通るためのさまざまな工夫がされています。
道路ができるまで
私たちのまわりには無数の道路があります。家から学校までの道、町から町までの道、海から山までの道……日本中のすみずみまで、大小さまざまな道路でつながっています。それでも交通量が増えるなどして、新しい道路やもっと広い道路が必要になることもあります。
しかし、道路をつくるためには、たくさんの時間とお金、そして大勢の人の協力が必要です。そのため、どの道路を先につくるか、どこに道路をつくるのが一番いいか、それをまず決めなければなりません。道路をつくるためには工事以外にもさまざまな仕事があるのです。
1.地域の調査をする
新しくつくられる道路は、安全で便利なだけではなく、地域の発展に役立つものでなければなりません。そこで、地域住民の希望を聞いたり、交通量や車の出発地・到着地を調べて、地域の様子を確認しておきます。
2.工事の計画をたてる
問題点がわかったら、それを解消するためにはどうすればいいかを考え、道路をつくる場所を決めます。そして、いつから工事をはじめるか、どのように工事を進めていくかなど完成までのしっかりした計画をたてます。
3.工事の説明をする
工事をスムーズに進めるためには、地域の人々の協力が欠かせません。そこで、どのような工事を行うのかを知ってもらうため、道路をつくる土地の持ち主や関係のある県、市町村役場などで説明会を行います。
4.土地の調査をする
道路をつくる土地の地質や自然環境などを調べ、測量(ソクリョウ)をし、道路の設計図をつくります。また、その土地の持ち主と土地を売ってもらう相談をするとともに、いくら払えばいいかなどの計算をします。
5.道路工事をする
設計図にしたがって道路工事を行います。工事は大きな音をできるだけ出さない工夫をしたり、近くを車が通る場合には交通整備をしたりと、地域の人々の生活が不便にならないように気をつけています。
6.完成
道路は多くの人の協力によってできたみんなの道です。完成した後にも安心して使えるように、点検や掃除、壊れた道路の修理などが行われています。
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