河川のなりたち
川には常に水が流れています。砂山の上からバケツで流した水のように、一気に下まで流れてしまうことはありません。それは自然のはたらきによります。
雨が降るしくみは知っていますね。地球上の水は太陽の熱によって温められ水蒸気になり、雲をつくります。その雲が冷やされると水蒸気が水に戻り、雨となって降るわけです。雨水はやがて川の水や海水になり、また蒸発するというようなことを繰り返しています。これが「水の循環」です。そのはたらきのおかげで、海に流れてしまった川の水も再び雨となって川の上流へ戻ってくることができるのです。
また、雨の大部分は川に集まって海へ流れていきますが、山に降った雨の一部は地面にしみこんで地下水となります。その地下水が長い時間をかけて集まり流れ、再び地上に出てきたものがわき水です。わき水は川の源にもなっていますが、そのもとは何年も前にふった雨水ですから、晴天が続いても水は枯れずにわき出てきます。こうして川の水は、ずっと流れ続けることができるというわけです。
河川のはたらき
川の水の流れには、大きく分けて3つのはたらきがあります。
ひとつは「浸食作用(シンショクサヨウ)」。岩などを削りとるはたらきを浸食といいますが、とくに川の上流ではこのはたらきによって大地が深くえぐられ、けわしい谷がつくられています。川の上流は傾斜(ケイシャ)が急で川幅も狭いため、水の流れが速く、川岸や川底を削る力が強いのです。
それから、削りとった岩や土を下流へ運ぶ「運搬作用(ウンパンサヨウ)」。雨が降ったあとに川の水が濁(ニゴ)っているのは、削られた土砂(ドシャ)が多く含まれているからです。細かい泥(ドロ)や粘土(ネンド)は、水に溶かされたり水面や水中を浮きながら運ばれ、大きな岩や石は川底を転がったり、滑るように流されたりします。水がものを運ぶ力は、川の傾斜(ケイシャ)が急で水深(スイシン)が深いほど大きくなります。
そして、運んできた土砂(ドシャ)を積み重ねる「堆積作用(タイセキサヨウ)」。傾斜(ケイシャ)がほとんどなくなり川幅も広くなった川の下流では、ものを運ぶ力も弱くなるため、川底に土砂(ドシャ)が積もっていきます。このはたらきによってできるのが、扇状地(センジョウチ)や河原、三角州(サンカクス)などです。
山地や平野のさまざまな地形は、これらの川のはたらきによってつくられたものといえます。
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