月山ダムは、山形県の庄内平野を流れる一級河川赤川の右支川梵字川(鶴岡市朝日地区内)に建設され、治水と利水を併せ持つ多目的ダムである。梵字川は、朝日山系の北寒江山を源とし、また、霊峰月山から流れる田麦川を合わせた流域面積290平方キロメートル、流路延長38キロメートルの一級河川である。赤川は、自然に恵まれた豊かな穀倉地帯を潤し、古くより地域の人々の暮らしと文化を支えてきた。 しかし、反面、時には洪水や渇水といった自然の猛威によって、そこに住む人達を苦しめてきた。赤川の治水は、最上氏が鶴岡に入城して以来、洪水被害と治水対策の長年に亘る戦いの歴史であった。赤川の抜本的な治水対策として月山ダムが計画された。一方、庄内平野を潤すかんがい用水が渇水の時でも安定的に取水できるように、川の流れを正常に保ち、また、長年の地域の懸案でもあった庄内南部地域の上水道の安定供給と将来の水需要に対処するため、月山ダムにその水源を求めることになった。昭和57年に基本計画が告示、昭和63年本体工事に着手、平成14年に完成した。