中洲に生育している樹種について、砂、礫、腐植層のどれに分布するかを検討すると、砂の堆積地に多いのはヒメヤシャブシですが、砂と礫では構成樹種の分布に大きな差はみられず、オノエヤナギ、タチヤナギ、イヌコリヤナギ、ネコヤナギなどのヤナギ類、タニウツギ、サワグルミ、ハンノキ類などの先駆樹種はその多くが砂、または礫のところに分布しています。腐植層が発達しているところに多く分布するのはオオバヤナギ、シロヤナギと、二次林構成樹種としたオニグルミやミズナラ、イタヤカエデ、トチノキなどでした。
一般に、中洲のもっとも流路側には礫が堆積し、中央に向かっていくにしたがって砂、腐植層と構成土砂は変化しています。このことから、中洲の流路側では流水の影響に強いオノエヤナギなどのヤナギ類の侵入、および生育が容易であり、砂が多くなるところでは、ヤナギ類の生育はもちろん、タニウツギなどの先駆樹種の生育も多くみられるようになります。さらに、中洲中央部で腐植層が発達しているところにミズナラなどの二次林構成樹種やオオバヤナギ、シロヤナギなどが多く分布するということが言えます。
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