プチ・トピックス
2015.06.17更新
ダムの水の色がみどり色なのはなぜ?
春先から今の時期、長井ダムを訪れる皆さんのほとんどから質問を受けるのが、標題にある「ダムの水の色がみどり色なのはなぜ?」です。
エメラルドグリーンに輝くながい百秋湖 |
長井ダムの水をバケツなどで汲んでみても、透明にしか見えない澄んだ水ですが、遠くから眺めるとなぜかみどり色に見えます。もちろん、ダムにみどり色のペンキが混じっているわけではありません。
そもそも物の色は、光がある物にあたったときに、一部の波長は吸収され、吸収されなかった特定の波長の光が反射し人の目に届くため、その波長によって判断される色が、その物の色として認識されます。
では、水のように光が透過する場合はどうでしょう?
水は分子でできており、その水分子が波長の長い赤色の光を吸収するため、赤色以外の残りの光が反射・拡散することにより、赤系の補色である緑系の色が人の目に残るようです。コップに水を注いだ程度では変わりませんが、水深が深くなると青から緑がかって見えてきます。
一般的に湖などの水面の色は、①水分子による光の吸収や拡散、②水中の物質(懸濁物質や動植物プランクトン、溶存物質)による光の吸収や反射、③水深の浅いところでは、湖底や水中の水草などによる光の吸収・反射・拡散、④周囲の景観、⑤太陽光の直接反射、などにより決まると言われています。
長井ダムの水は、水質基準では基準値を満足している水ですが、純粋な水ではなく様々な物質が溶けていたり、土壌粒子や動植物プランクトンなどが水に漂っています。ダムの水の色がみどり色に見えるのは、光の吸収や拡散以外にそれらの影響も受けていると考えられます。
ところで、補色とは何でしょう?
補色とは、2色の光を混ぜ合わせて太陽光のような白色光となる時の、その一方の色に対する他方の色のことです。
右表でいうと、集めた光のうち紫色の光を遮ってしまうと、集めた光は黄緑色になります。この時の紫と黄緑の関係が補色といわれています。
次回は、「ダムから流れ落ちる水が白く見えるのはなぜ?」についてご説明します。