●ミチノクナシはどうして移植するの? |
ミチノクナシは、近年新たに重要な種として扱われるようになった野生ナシの一種であり、平成19年度に「環境省レッドリスト」で
CR(絶滅危惧TA類)に、平成22年に「青森県レッドデータブック」でBランク(重要希少野生生物)に選定されました。 津軽ダム周辺では、工事箇所周辺に本種が生育していたことから保全することとしましたが、保全対象のミチノクナシは、 古木であり、樹勢も弱いため、樹木全体の移植は困難でした。 このため、対象木から枝を採取し、それを他のナシの木へ「接木」する方法により、保全することとしました。 |
![]()
ミチノクナシは、本州に分布する野生ナシの一種であり、青森県内では低山地や低地に見られます。 近年、遺伝子レベルでの研究が進んでおり、「北上山地以外の北東北地方の個体は、交雑個体である可能性が高い」 ということが、研究から明らかになりつつあります。 また、ミチノクナシは北上山系のなかでもごく限られた高地にしか存在していない可能性を示唆する結果が研究により得られています。 津軽ダム周辺で確認した個体は、他のナシ類と交雑した「雑種」である可能性がありましたが、 学識経験者のご意見を踏まえ、保全することとしました。 ≪ミチノクナシの研究を紹介しているホームページ≫ 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 神戸大学大学院農学研究科附属食資源教育研究センター |