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重要水防箇所とは

重要水防箇所とは | 水防工法

 重要水防箇所とは、洪水時に危険が予想され、重点的に巡視点検が必要な箇所です。それぞれの箇所の堤防の状態などにより「越水(溢水)」「堤体漏水」「基礎地盤漏水」などのいくつかの種別に分類されます。さらにその種別ごとに、その状況に応じて2つの重要度に区分されます。
  • 重要度A(水防上最も重要な区間)
  • 重要度B(水防上重要な区間)
 また、新しく堤防を作った「新堤防」、過去に堤防が決壊したことのある「破堤跡」、以前川だった所が堤防となっている「旧川跡」については、「要注意区間」としています。



重要水防箇所
種  別 重 要 度
越水(溢水) 計画高水流量規模(※1)の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)が現況の堤防高を越える箇所。 計画高水流量規模(※1)の洪水の水位(高潮区間の堤防にあっては計画高潮位)と現況の堤防高との差が堤防の計画余裕高に満たない箇所。
堤体漏水※
(※漏水とは洪水の水が堤防から漏れ出すこと。)
堤防の機能に支障が生じる堤体の変状の履歴(被災状況が確認できるもの)があり、類似の変状が繰り返し生じている箇所等。 堤防の機能に支障が生じる堤体の変状の履歴(被災状況が確認できるもの)があり、安全が確認されていない箇所、又は堤防の機能に支障は生じていないが、進行性がある堤体の変状が集中している箇所等。
基礎地盤漏水※
(※漏水とは洪水の水が堤防から漏れ出すこと。))
堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状の履歴(被災状況が確認できるもの)があり、類似の変状が繰り返し生じている箇所等。 堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状の履歴があり、安全が確認されていない箇所、又は堤防の機能に支障は生じていないが、進行性がある基盤漏水に関係する変状が集中している箇所等。
工作物 堰、橋、樋管などのうち、施設が老朽化していたり、護岸が取り付けられていないなど、改善する必要があるが、対策を十分に施していない箇所。橋などの高さが低いため、計画高水流量に達した場合に、橋桁がもぐってしまう箇所。 計画高水流量に達した場合に、橋桁がもぐってしまうことはないが、必要な余裕高(橋桁下と水面の距離)がとれない箇所。
※1 計画高水流量 :その川で流すことのできる目標の流量を指します。
 阿武隈川では、概ね150年に1回起きる規模の降雨による洪水を想定し流量を決めています。



要注意区間
工事施工 堤防を開削する工事箇所等により、本堤に影響を及ぼす箇所。
新堤防 堤防を新しく作ってから、3年以内の箇所。新堤防が、上下流の堤防や地盤の土となじむまでには時間がかかり、また洪水の経験がなければ、堤防としての機能の確認ができないため、作ってから3年間は要注意区間とします。
破堤跡 過去に破堤(堤防が決壊すること)したことがある箇所。地質が弱いことも多く、必要な対策が完了しても要注意区間とします。
旧川跡 以前は川であったところが現在では堤防となっている箇所。地質が弱いことが多く、必要な対策が完了しても要注意区間とします。
陸閘 陸閘は、通行などのため、堤防につけたドアのようなものです。洪水の危険がある場合にはこれを締めて、堤防の役を果たすようにします。

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