有識者からのヒアリング状況
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有識者からのヒアリング状況 > 大友 義助
九 雪と虫・鳥・魚・草木

“先年、二〇〇〇年の秋はえらくカメムシが多かった。どこから湧くものか、窓ガラスが暗くなるほどびっしりと張り付いて、払っても払っても、はい登ってくる。びしっと戸を閉めているにもかかわらず、部屋の中にも何匹も入り込んでくる。そこで、今年は大雪だというのが、村の人々の一致した声だった。

 しかし、気象庁の長期予報では、今年も暖冬で雪は少ないだろうということであったので、小生などはすっかり安心してしまって、庭木の雪囲いなどは、まるで手を抜いて、これでよしとしていた。小生もそうであったが、理性万能の近代人は庶民のいい加減な諺などにはまるで目を向けず、みんな今年は暖冬だと思っていた。

 ところがである。二〇〇〇年歳末ぎりぎりから降り出した雪は、降りに降って一月二十四日ころまで降り止まなかった。…

 おまけに黄砂までも大量に降ってきた。黄砂は、当地方においては、まだまだ遅く降るもので、春の前触れともされているのだが、この年は違っていた。…”

(「1カメムシは知っていた」 p.237 より抜粋)

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