ゼロエミッション・ロード モデル事業の紹介
施工段階モデル事業
伐根材の有効活用 三陸国道工事事務所
三陸国道工事事務所では、大船渡三陸道路において「ゼロエミッション・ロード」のモデル事業として指定を受けて伐根材の有効利用等の取り組みを行っています。
「三陸縦貫自動車道」大船渡三陸道路ではリアス式特有の急峻な地形を通るルートとなっていることから、建設工事で発生する大量の切土残土の他に、立木の伐開除根により発生する「木の根(伐根材)」の処理について問題を抱えていました。
ゼロエミッションへの取り組み
土工工事により発生する伐根材は建設副産物(一般廃棄物)として位置付けられていますが、伐根材の受入れ可能な再資源化施設や処分場が近隣にはありません。今後の三陸縦貫自動車道の建設においても大量の伐根材の発生が想定されており、伐根材利用の新たな取り組みとして、ドイツ製ルーツクラッシャーにより伐根材を破砕してチップ化する施工に取り組んでいます。
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チップ化した伐根材は、マルチング材として利用する他、道路法面の緑化基盤材として再生利用しています。
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緑化基盤材に関しては、伐根チップを主体として、三陸海岸周辺の副産物であるカキ殻やアスファルト殻などの副産物と混合調製して法面緑化を図っています。
カキ殻の主成分は炭酸カルシウムであり、カルシウム(石灰)分が植物の育成に必要な養分の一つであり、土壌の酸度矯正の役目も果たします。さらに、有機物の分解促進、微生物繁殖の効果があり、伐根チップ材の分解に寄与しています。他にカキ殻にはミネラル分も含まれ、土壌を活性化させ植物の育成を良好にする効果があります。
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法面緑化用資材としてカキ殻を大量に有効活用することにより、処分場の延命化を図ることができます。
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