ゼロエミッション・ロード モデル事業の紹介
施工段階モデル事業
カキ殻の有効活用 仙台工事事務所
仙台工事事務所では、ゼロエミッションの観点から、地場産業から排出されるカキ殻の有効活用について取り組んでいます。
宮城県は広島県に次ぐカキの産地であり、各地でカキの養殖が行われています。しかし、廃棄されるカキ殻は一部が飼料・肥料および土地造成材として活用されているのみで、残りのカキ殻は野積みのままで処理に苦慮しているのが現状です。
ゼロエミッションへの取り組み
「三陸縦貫自動車道」矢本石巻道路は鳴瀬奥松島ICを起点として、鳴瀬川を横架し、矢本町、石巻市を通過します。さらにJR石巻線を越え、旧北上川を横架し、河北町を経て桃生町に至る延長26.5kmの高規格幹線道路です。
現在事業中の石巻河南IC〜河北IC区間は軟弱地盤が連続する個所であり、軟弱地盤上にグラベル(砕石)を敷くことにより盛土地盤からの圧密脱水の排水路を形成させるグラベルマット工法で対策を実施しているところです。
そこで、石巻地区の養殖場より廃棄されるカキ殻を軟弱地盤対策として、グラベルマットに代わる材料として再使用することを計画しました。
石巻地区における牡蠣殻の活用については、既に運輸省港湾事業で平成5年から地盤改良材として本格使用を行っています。いまのところ矢本石巻道路においては材料の安定的な確保が難しい状況ですが、道路事業における取り組みとして、牡蠣殻がマット材として使用可能かどうか検証を行う目的で、今年度試験施工(延長20m)を行います。
なお、牡蠣殻を工事に利用した箇所については、工事の品質管理として従来のグラベルと同じ条件で動態観測を実施し評価を行う予定です。
軟弱地盤の地表に厚さ1mのマット材として粉砕しない状態のカキ殻を敷き、その上に盛土を施します。重機や盛土荷重などをかけることにより軟弱地盤の水分を強制的にマット材(カキ殻)へ押し上げ、地盤の圧密を促進させて排水する地盤改良法です。 マット材には盛土内への地下水の上昇を遮断し、降雨などの盛土内へ浸透した水を外部へ排水する役目もあります。