米代川流域は日本屈指の美林・秋田天然杉をはじめとする森林資源や尾去沢、阿仁鉱山に代表される鉱山資源に恵まれてきました。かつて、陸上交通が発達する以前は、物資の輸送はもっぱら舟運で、それは資源のみならず人的交流や文化の交流などの地域社会の発展に大きく貢献してきました。
古くより米代川は流域の産業や文化を支える「恵みの川」として人々の生活と密接に関わってきましたが、大雨による氾濫もこれまでに幾度となく発生しており、流域の人々の命や財産を脅かす「暴れ川」としての顔も同時に併せ持っています。
中でも昭和47年7月、米代川一帯は戦後最大の大洪水に見舞われ、甚大な被害を被りました。
この大洪水が森吉山ダム建設のきっかけとなり、昭和48年に調査事務所を開設して以来、39年の期間を要し平成23年度に完成しました。
S47.7 二ツ井町 |
S47.7 二ツ井町 |
S47.7 能代市中川原 |
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S47.7 鷹巣町 |
H19.9 阿仁前田地区 |
H19.9 阿仁川・小又川合流地点付近 |
昭和47年7月 | 米代川戦後最大の大洪水が発生 |
昭和48年4月 | 阿仁川ダム調査事務所開設、実施計画調査に着手 |
昭和49年7月 | 米代川改修計画策定 |
昭和61年4月 | 「阿仁川ダム工事事務所」に改称、建設採択 |
昭和62年4月 | 「建設省所管事業に係る環境影響評価」を実施 |
昭和63年2月 | 「森吉山ダムの建設に関する基本計画」告示 |
昭和63年4月 | 「森吉山ダム工事事務所」に改称 |
平成元年3月 | 下流工事用道路基本協定締結、工事着手 |
平成3年6月 | 「森吉山ダム建設事業に伴う一般補償に関する協定」 締結及び基準の妥結調印 |
平成8年7月 | 全戸移転完了(貯水池・付替道路・貯水池上流 合計200戸) |
平成12年6月 | 「森吉山ダムの建設に関する基本計画(変更)」告示 |
平成14年3月 | ダム本体工事に着手 |
平成14年4月 | 米代川水系河川整備基本方針策定 |
平成14年5月 | 「森吉山ダム本体工事監理試行業務」を契約 |
(ダム本体建設工事に民間のマネジメント技術を活用するもの。 ダム建設事業で全国初) |
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平成14年9月 | 「森吉山ダム広報館(モリトピア)」開所 |
平成15年11月 | 小又川を仮排水トンネルへ切替(転流) |
平成17年3月 | 米代川水系河川整備計画の策定 |
平成17年5月 | 広報館来館者10万人達成 |
平成17年6月 | 森吉山ダム定礎式 |
平成18年10月 | 洪水吐コンクリート打設完了 |
平成19年8月 | 堤体盛立完了 |
平成19年9月 | S47年洪水から35年後、再び大洪水が発生 |
平成19年11月 | 広報館来館者20万人達成 |
平成20年5月 | 付替県道全線開通 |
平成21年10月 | ダム湖名称「森吉四季美湖」に決定 |
平成22年1月 | 試験湛水開始 |
平成23年1月 | 試験湛水終了 |
平成24年3月 | 竣工式 |
平成24年4月 | 管理開始 |
能代河川国道事務所 森吉山ダム管理支所へ |
洪水生起年月日 | 洪水流量(m3/s) | 被害状況 | 被害額 (億円) |
昭和47年7月9日 | 6,800 | 家屋浸水6,540戸、耕地8,836ha、公共施設822カ所 | 135.6 |
(低気圧) | (二ツ井) | ||
昭和55年4月6日 | 5,155 | 家屋浸水610戸、公共施設964カ所 | 49 |
(融 雪) | (二ツ井) | ||
平成2年7月18日 | 2,214 | 耕地130ha、公共施設23カ所 | 2 |
(梅雨前線) | (二ツ井) | ||
平成3年6月12日 | 2,850 | 家屋浸水9戸、耕地698ha 公共施設67カ所 | 2.9 |
(梅雨前線) | (二ツ井) | ||
平成5年7月28日 | 2,604 | 家屋浸水35戸、耕地71ha 公共施設165カ所 | 11.7 |
(温帯低気圧) | (二ツ井) | ||
平成7年8月5日 | 2,469 | 家屋浸水47戸、公共施設130カ所 | 9.3 |
(前 線) | (二ツ井) | ||
平成9年5月8日 | 3,546 | 家屋浸水20戸、耕地766ha 公共11カ所 | 4.2 |
(寒冷前線) | (二ツ井) | ||
平成10年6月26日 | 3,700 | 家屋浸水27戸、耕地1,347ha 公共119カ所 | 3.1 |
(梅雨前線) | (二ツ井) | ||
平成16年9月30日 | 3,500 | 家屋浸水15戸 | − |
(台風21号) | (二ツ井 | ||
平成17年4月7日 | 3,650 | 家屋浸水2戸、耕地冠水360ha | 0.15 |
(融雪) | (二ツ井) | ||
平成19年9月17日 | 5,800 | 全壊5戸、半壊217戸、家屋浸水632戸、耕地冠水4,174ha | 132 |
(前 線) | (二ツ井) | ||
平成21年7月18日 | 4,700 | 一部損壊1戸、家屋浸水66戸、耕地冠水22ha | 17.3 |
(前 線) | (二ツ井) |