電気をどれだけよく伝えるかを示す指標で電気伝導度(でんきでんどうど)とも言います。水中に溶けている物質のおおよその量を知ることができます。単位はmS/m(ミリジーメンス・パー・メートル)。
雨量とは地表で雨として観測される水の量で、地面にたまった場合の高さで表します(mm)。1時間雨量とは1時間前から現時点までに降った雨の量です。
一級河川とは、国土保全上(治水)または国民経済上(利水)特に重要な水系で政令指定したものにかかわる河川で国土交通大臣が指定したものです。
生活環境を保つための、水の水質・汚れに関する基準の中の分類区分の一つ。環境基本法により環境庁が示したものであり、AA類型は最もきれいな水(飲み水として使用できる)を保つための基準値です。釜房ダムは、県によってさらにきめ細かな基準等が示されています。
SSとは、浮遊物質のことで、水中を濁している直径2mm以下の水に溶けない粒状の物質量をいいます。この粒状の物質は、粘土や動植物の死ガイ、下水、工場排水などの有機物や金属のゴミなどで、量が増えると水が濁り、透明でなくなり、見た目が悪くなります。湖沼では1~15mg/l以下と定められています。
植物プランクトンの増殖が懸念される夏季や渇水時に循環量を増量するための装置。
機能は、常用散気式と同じであり、常用散気式とセットで稼働します。釜房ダムには6基設置されています。
水道水、かんがい(農業)用水、工業用水の供給のために確保するべき水位のことをいいます。
釜房ダムの洪水期は7月から9月としています。この時期は、梅雨や台風が来る時期であることから洪水の貯留確保のため、洪水貯留準備水位を上回らないようダム水位を管理するのが原則です。しかし夏は、日照りが続き渇水となる場合もあります。そのために洪水貯留準備水位プラス1mの活用水位で管理し、ダム貯留量を確保して、渇水時に水環境保全のための放流をおこないます。そのための平常時の上限のダム水位です。洪水貯留準備水位と活用水位までの貯留量は、およそ250万m3です。
クロロフィルは葉緑素のことであり、植物や植物プランクトンの中に含まれています。クロロフィルaの値により、水中の植物プランクトンのおおよその量を把握することができます。
釜房ダムには、ダムから放流する場合、その役割により5つの放流口を有しています。その内一つに、ダム本体の中段には、コンジットゲートがありま す。そのゲートからの放流量を表しています。ダム流入量と比較すると、ダム貯水量が貯まりつつあるのか、減りつつあるのかがわかります。そのことはダム湖 の水質へも影響します。
植物が太陽(光)のエネルギーを浴びて、成長すること。植物は光合成をする時に、他の生物が生きるために必要な「酸素」を出します。
洪水とは、一般的に河川の水があふれることや、あふれ出そうなほどたくさんあることをいいます。釡房ダムでは「大雨の際などに1秒間に300m3以上の水が上流から流れてくる場合」を操作の管理上、洪水として扱っています。
※300m3:小学校のプール(25m×5コース)で約1杯分
ダムに備える最も低い水位のこと。大雨が降った時、下流の河川の水位が上昇するのを防ぎ水害による被害をなくすため、ダムに一時的に水を貯め込むこ とがあげられます。台風が近づいた時などには大雨が降っても貯め込められるよう、ダムの水位を出水に備えて洪水貯留準備水位まで低くすることがあります。
天然湖沼や、貯水量1000万m3以上の人工湖のこととを指します。釜房ダムも人工湖で「ダム湖」と呼ばれることがあります。
供給する水をぎりぎり確保している、最も低い水位のこと。日照り等が長く続くとダムの水位も低下していきます。最低水位になると水道水、かんがい(農業)用水、工業用水に使う水を送ることができなくなります。
水の汚れを示すもので、水中の有機物などを酸化剤で酸化するときの酸化剤の量を酸素量に換算した値を言います。この値は、汚れが進むほど大きくなり、水中の有機物量の目安となります。なお、湖沼では、1~8mg/L以下とされています。
カビ臭の原因である植物プランクトンは、光により増殖する特性があります。その植物プランクトンの発生を抑制するため、ダム湖底部より空気を送り、ダム湖の水を循環させ、植物プランクトンを光の届かない深さまで押し込め、またダム湖の表層水温を低下させる装置です。釜房ダムには4基設置されています。通常時はこの装置を稼働させます。
ダム湖の底にあたる深層部は、散気曝気循環装置を稼働させると酸素が少なくなり、汚濁物質発生の要因となります。これを抑制するため、深層部へ酸素を送り込む装置です。釜房ダムには1基設置されています。
水は、温かいほど軽い(密度が低い)性質を持っています。水面付近の水温が日射で温められることによって、表層が暖かく、下層が冷たいような、水温の層が形成されます。これを「水温成層」と一般に呼びます。この状態では水は水深方向に混ざりにくくなります。(身近な例では、お風呂のお湯がこのような状態になることがあります)
中心となる川とこれにつながる川や湖等を含めたものをいいます。
水の力を利用して電気をつくることです。釜房ダムの水も水力発電に利用されています。
全層平均とは、ダムの湖の水面から50cm下のところのデータ(表層)、ダム湖の底から上1mの所のデータ(下層)、表層と下層の中間の水中のデータ(中層)の3つを平均した値です。
雨の降り始めから現時点までに降った雨の量です。累加雨量とも呼ばれます。
水中の窒素化合物の総量を言います。窒素は動植物が増えていくために欠かせないもので、リンとともに栄養塩と呼ばれ、動植物に対して栄養が多くあるのかどうかの目安となります。
なお、値は通常0.1~1mg/L以下と定められています。
水中の窒素化合物の総量を言います。窒素は動植物が増えていくために欠かせないもので、リンとともに栄養塩と呼ばれ、動植物に対して栄養が多くあるのかどうかの目安となります。
なお、値は通常0.1~1mg/L以下と定められています。
大腸菌群とは大腸菌と大腸菌によく似た性質をもつ菌を含めていい、100mlの水の中の大腸菌群の数(最確数:HPN)を大腸菌群数といいます。大腸菌は人間の排泄物に大量に存在し無害ですが、病原菌は常に大腸菌と一緒に存在するため、この値が大きくなると病原菌も水の中にいるのではと疑うことができます。湖沼では50~1000HPN/100ml以下と定められています。
水の濁りぐあいの指標です。濁るほど数値が高くなります。洪水時には河川の濁水が流入するため、高くなります。
ダムに貯め込める最大限の水量と、貯水量の割合です(貯水量/最大貯水量×100)。通常パーセントで表します。
大雨の時などに水と一緒に運ばれてきてしまう土砂が、釜房ダムの底にたまってしまうと、貯められる水の量が減ってしまいます。貯砂ダムは釜房ダムへの土砂の流入を防いだり、魚道の役目を果たしたりしています。
水中に溶け込んでいる酸素の量で、水が自然にきれいになるためや、魚などの生物が生きていくのに必要なものです。水がきれいであればあるほど量が多く含まれ、逆に汚れていれば値は小さくなります。なお、値は通常2~7.5mg/L以上が必要と定められています。
2-メチルイソボルネオールという名前の化学物質。毒性はありませんが、水道水にカビの様な臭いをつけます。
ダム湖の水質を保全するための装置。汚濁物質の発生を抑制するために、ダム湖内に酸素(空気)を送る装置です。その役割により、深層曝気装置、常用散気式曝気循環装置、夏季強循環散気曝気循環装置があります。
BODとは、水の汚れを示す代表的なもので、水の中の微生物が増えるために呼吸によって消費する酸素量のこと。通常20 ℃、5日間で消費された値をいいます。この値は汚れが進むほど大きくなります。例えば、コイやフナが生きていくためには、5mg/l以下が適当とされています。
水の水素イオン濃度のことで、水中でおきる水質変化のもととなっているものです。通常の川では、値がpH6.0~8.5の間で中性(pH=7)の状態が正常です。なお、値がpH7以上であればアルカリ性、7以下であれば酸性となり、水質に何か変化があったことがわかります。
植物プランクトンの一種。毒性はありませんが、2MIBを発生することがあります。釜房ダムにおいては、緑株と茶株が存在することが分かっています。このうち、緑色をした通称「緑株」が2MIBを産生していると考えられています。
水中にただよい、ほとんど自分では移動のできない小さな生物のこと。動物プランクトン(ミジンコなど)と植物プランクトンがいます。
水道水・かんがい(農業)用水・工業用水として水を送るために、ダムに水を満杯に貯めることのできる水位。
ダムに流れ込んだ水、あるいはダムに貯めていた水を下流に放出することをいいます。
ダムから下流にゲート等を使用して流す水の量のことをいいます。単位は、m3/秒です。1m3/秒は、1秒の間に1m3分の水が流れることをいいます。
1時間の間に降った雨の量。複数の雨量観測データを平均しています。1時間毎に更新されます。現在降っている雨の強さを表します。
降り始めから現在までに降った合計の雨量。各時間に降った流域平均時間雨量を合計した量となります。雨量の大きさを表します。
ダムに流れ込む水の量です。通常は1秒間に流れ込む水の体積で表します。単位は、m3/sです。