『RCD工法』について

=RCD工法とは=
 RCD※工法は、コンクリートダムの合理化施工法として我が国で開発されたもので、 セメント量を少なくし、水和熱※2の発生を抑えた超硬練りのコンクリート(スランプ※3=0cm)をブルドーザで敷均し、 振動ローラで締め固める工法です。打設面に段差が生じないため、安全な施工が可能となり、 ブルドーザや振動ローラといった施工能力のある一般的な機械を使用できることから、 コンクリート打設のスピードアップが可能となります。これにより工期の短縮と工費の低減を図ることが出来ます。
1 Roller Compacted Dam Concrete の略。
2 コンクリートのセメントと水が化学反応により硬化する際に発する反応熱のこと。 水和熱による温度上昇を抑え、ひび割れの発生を防いでいる。
3 コンクリートの柔らかさを示す言葉で、数値が大きいほど柔らかくなる。
=RCD工法の手順=
1 コンクリートを打設《型枠にコンクリートを打ち込むこと。》 する前にモルタル《セメント、砂、水を混ぜたもの。コンクリートと違い、砂利は入らない。》 を薄く(2cm程度)敷き均します。このモルタルは、既に打設している部分と、これから打設する部分との接着剤の役割をします。
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2 超硬練りコンクリート《前述の、スランプ0cmのコンクリート》 の縁の部分となる、外部コンクリートを打設します。超硬練りコンクリートだけでは、 縁の部分まできれいに仕上げることが難しいため、それよりも少し軟らかいコンクリートで、 額縁のようにします。これにより、ダムに水を貯めた際の遮水性を確保します。
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3 いよいよ超硬練りコンクリートの打設です。コンクリートプラントで作られたコンクリートは、 ケーブルクレーンで現場内のグランドホッパー《動画では、画面下方の緑色の容器》 に移し替えられます。バケット《動画では、クレーンに吊られた黄色の容器》 には4.5m3(10tダンプトラック1台分)のコンクリートが積まれています。
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4 グランドホッパーからダンプトラックに積み替え、打設位置まで運搬されます。超硬練りコンクリートのため、土砂のように運搬することができます。
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5 運搬されたコンクリートは、ブルドーザで敷き均されます。約20cmずつ撒き出し《層状に積み重ね》 ていき、1回の仕上がりの高さは約1mになります。その過程で、ブルドーザの自重と運動エネルギーを繰り返し与えることで、 締め固め効果を得ることができます。
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6 2と5の作業の境界部分のコンクリートを、バイパックという機械で締め固めます。
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7 前の作業で撒き出したコンクリートが固まらないうちに、振動目地切機で継目の部分に目地を切り、 亜鉛引鉄板を挿入します。コンクリートは、固まる際に熱が発生し、ゆっくりと長い時間をかけて周辺温度へ下がっていきますが、 温度が下がると収縮し、クラック 《ひび割れ》 が発生します。このため、面積の大きいコンクリートの版、壁などに収縮による不規則なクラックが発生しないように、あらかじめ目地を設けるのです。
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8 さいごに、振動ローラで同じ場所を8回程度往復して、コンクリートを締め固めます。
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 『巡航RCD工法』については、こちらで解説しています。
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