観察しよう!-白鳥百科-
コハクチョウの個体識別をしてみよう!
ハクチョウは、どれも同じように見えて、なかなか見分けがつきませんが、人間が一人一人ちがう顔をしているように、ハクチョウも一羽一羽ちがう顔を しているはずです。
人間一人一人を、別々の人間として見分けるように、ハクチョウを一羽一羽、見分けることを「個体識別」といいます。この「個体識別」が できるようになると、水鳥観察が楽しみが広がります。
いつも一緒に見かける2羽がいたら、それは、きっと夫婦です。ハクチョウの夫婦は仲が良く、一生を同じ相手と過ごすそうです。また、いつも幼鳥をつ れているグループを見つけるかもしれません。それは、たぶん両親と子どもたちです。このグループを続けて観察していれば、幼鳥が少しずつ成長していく過程 を見ることができます。
このように「個体識別」ができると、一羽一羽の生活や行動を伺い知る楽しみがあります。
さらに、あなたが今年見つけたハク チョウが、次の年も来るかどうか、毎年、確かめる楽しみがあります。その年、初めて来たハクチョウもすぐに見分けられます。
個体識別のヒント
それでは、コハクチョウを例に「個体識別」のためのヒントを紹介しましょう。
コハクチョウを見分けるコツは、まず、くちばしの模様です。くちばしの模様を、いくつかのパターンに分け「このコハクチョウは、どのグループに入るのか」分類してみます。
くちばしの模様のパターン コハクチョウのくちばしは、基本的には、根元側が黄色で、先の方は黒です。 そして、くちばしが顔と接しているのは、人間で言えば、おでこのあたりですが、まず、この顔と接している部分が「黒いもの」 と「黄色いもの」に分けることができます。
くちばしで分ける
(A)顔と接している部分が黄色いタイプ
(B)顔と接している部分が黒いタイプ
A - くちばしの黄色の部分
(A-1)顔と接している部分がきれいに黄色いタイプ
(A-2)顔と接している部分の一部が黒いが、ほかは黄色いタイプ
B - くちばしの先まで繋がっているか
(B-1)顔と接している部分が黒く、くちばしの先まできれいに繋がっているタイプ
(B-2)顔と接している部分が黒く、途中に黄色の部分が入っているタイプ
(B-1) - くちばしの黒いところの幅で分ける
(B-1-太)顔と接している部分が黒く、先まできれいに繋がっていて、その幅が太いタイプ
(B-1-細)顔と接している部分が黒く、先まできれいに繋がっていて、その幅が細いタイプ
(B-2) - 途中の黄色の部分が大きいか小さいかで分ける
(B-2-大)顔と接している部分が黒く、途中に入っている黄色の部分が大きいタイプ
(B-2-小)顔と接している部分が黒く、途中に入っている黄色の部分が小さいタイプ
例えば、このような感じで分類しておいて、あとは、黄色い部分・黒い部分の形や、体の形の特徴などから、分りやすいあだ名を付けて、覚えていくとよいでしょう。
()カッコの中は、あだ名の例です。