メダカ水路

■メダカ水路 Waterway for Killifish

 実験で得たさまざまなデータをもとに比較検討を行った結果、「縦断水路・メダカ溜桝・横断水路」について、下記の構造のものが選定されました。なお、選定にあたってはそれぞれの構造の比較はもとより、現状の水路環境を十分に考慮したうえで決定がなされました。

 ●縦断水路&メダカ溜桝

 縦断水路には、「プレハブの次にメダカが多く捕獲された」「7月に植物の侵食がみられた」という実験結果から、ポーラスコンクリートベンチフリュームが採用されました。ポーラスコンクリートは浸水性のある構造なので、土水路と同じくらい水がしみ出すと考えられ、また、表面に泥が堆積しやすく、水草も根付きやすいことから、将来的には植物が繁茂し、メダカの生息に適した環境となることが期待されます。また、維持管理が簡単なことも利点です。
 
 集水桝や接続桝は、メダカが避難場や越冬場として利用することが考えられますが、さらに産卵場や採餌場としても利用できるように、静水域として泥の堆積や水草の繁茂の期待されるメダカ溜桝をつくり、メダカの生活がこの水路内で完結できるようにします。また、カエルやヘビなどの小動物や、水生昆虫なども水路から這い上がれるように、溜桝の内か近くの水路にスロープを設けます。

 ●横断水路

 実験結果からは、全ての区画について同じ程度のメダカが確認され、どの水路を用いても大きな差はないと考えられることから、経済面や維持管理面で優れる通常のボックスカルバートを選定しました。
 
 ただし、実際には暗渠(覆いをした水路)の長さが実験区間よりも長くなるという点を考え、横断道路の中央部に休憩場として利用できる集水桝を設けます。

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