メダカ水路実験 (H13.4〜)

 メダカ水路実験は、メダカの生息環境保全のために最も適した水路を選定するために計画・実施したものです。実験は道路わきに設置される縦断水路と、道路の下を通って縦断水路をつなぐ横断水路の2種類の水路について行われ、それぞれ数種の実験水路に蛍光色素で標をつけたメダカを放流して、後で再捕獲したときにどの水路に何個体いるかを調べました。また、この実験は夜間と昼間それぞれについて行われました。

縦断水路

 縦断水路とは、道路の脇を流れる水路で、道路の排水などを下流へ流すために設置される水路です。この水路は、水田などにつながっているためにメダカが自由に出入りされると考えられるので、メダカが安全に生息できる環境を整備する目的で実験が行われました。


ベンチフリューム プレハブ水路

 従来タイプのコンクリートで作られているU型側溝であり、メダカが生息できる環境にはなりにくいと考えられます。

 U型側溝の底部を自然の土にすることにより水生植物などが根付き、メダカの生息空間となりやすい可能性があると考えられます。
ポーラスコンクリートベンチフリューム 火山礫洗い出しベンチフリューム

 ポーラスコンクリートベンチフリュームは、コンクリート表面や内部の空隙を通じてまわりの水田や地下水などから水が浸透してくる構造です。よって、渇水期でも水がなくなる可能性が少なくメダカが生息する場所が確保されるものと考えられます。

 火山礫でできているために気泡が多く、藻類や水草類などが付着しやすい構造となっており、メダカが生息しやすいものと考えられます。
そだ柵水路 土水路

 3面とも自然素材であり、今の状況の土側溝の環境に近いため、メダカの生息に適していると考えられます。

 道路整備が始まる前の水路の形であり、メダカにとってはうれしく、生活しやすい環境と考えられます。


横断水路

 横断水路とは、道路の下を流れる水路です。道路の下を流れる水路なので、水路内は暗い状態であり、メダカの生息場所に適さないと考えられています。よって、最低限メダカが移動できる環境を整備する目的で実験が行われました。


U型水路 底面に泥を設けた水路

  通常のコンクリート構造をイメージしたものであるので、メダカが生息できる環境にはなりにくいと考えられます。

 底の部分に泥をためることによりメダカの餌となるプランクトンなどが繁殖する可能性があり、メダカが移動する時は違和感なく進入すると考えられます。
水路内に隔壁を設けた水路  

 隔壁を設けることにより流量があるときは淀みが生じ、メダカの休息場所になると考えられます。底部にみお筋を設けることにより、渇水期でも水が流れメダカが移動できると考えられます。
 

前のページへ戻る