成瀬ダムQ&A
Q2-2 |
雄物川流域の渇水被害はどのようなものがあったのですか? |
回答 | 雄物川流域における主な渇水は、深刻な被害をもたらした昭和48年をはじめ、昭和53年、昭和59年、昭和60年、
平成に入ってからも3年に1度と頻発しています。 平成6年、平成24年の渇水は、渇水期間が長く、平成6年は上流部で上水道の減圧給水※1や時間給水※2 を実施しました。平成24年には玉川ダムの貯水率が過去最低まで低下する渇水となりました。 成瀬ダムの建設により、雄物川における流水の正常な機能の維持のための流量を確保し、 河川環境の保全や安定的な水利用を図ることが可能となります。 |
雄物川の渇水被害状況
渇水年 | 主な渇水被害の概要 |
昭和48年 | ・秋田県内で干ばつが発生。 ・このため、稲作34,042ha、畑作14,849ha、果樹3,944ha、養殖魚等に、合わせて28億7,703万円の被害がでた。 |
昭和53年 | ・上流域を中心とした湯沢市、大森町13市町村(18水道)では、7月上旬から8月中旬まで高温と日照が続き、 渇水による断水や減水※3が発生し、県内では計11億2,771万円余りの被害がでた。 |
昭和59年 | ・上流域の湯沢市、横手市、大森町では、7月下旬から8月上旬まで異常高温と日照りが続き河川流量の減少。 ・利水者に渇水情報を流し、節水を呼びかける。 |
昭和60年 |
・上流域の湯沢市、横手市では、8月から9月まで異常高温と日照りが続き、河川流量が減少。 ・利水者に渇水情報を流し、節水を呼びかける。 |
平成元年 | ・秋田県内の農業用水が不足して、水田の亀裂、水稲の葉先萎縮等が54市町村で発生し、8,855haに20億3,110万9千円の
被害がでた。 ・また、上流部の湯沢市や横手市、大森町等、14市町村で水道の給水制限を実施。水不足による水産被害は、6市町村で 274万7千円となった。 |
平成6年 |
・上流域の横手市及び湯沢市上水道で、渇水による水不足のため減圧給水を実施。(横手市30%、湯沢市15%) ・秋田県内の水田で約29,000haが水不足。その中心が、平鹿・雄勝地区であった。 ・一ケ月近くに渡り番水※4を実施。また、配水・地下水ポンプの購入、運転、井戸の掘削と多大な経費と労力を費やした。 |
平成11年 |
・中流域の南外村をはじめとする川沿いの3町1村、150世帯に給水車による給水を実施。 ・湯沢頭首工をはじめとする川沿いの9頭首工で番水を実施。約13,500ha(12,400人)に影響を与えた。 |
平成12年 | ・中流域の南外村、西仙北町、大森町で6月下旬から7月下旬、8月始めから9月始めにかけて、 給水車による給水を実施した。 |
平成13年 | ・中流域の南外村、西仙北町で5月下旬から6月中旬にかけて、給水車による給水を実施。 |
平成18年 | ・横手市等で8月初旬に番水を実施した。 |
平成19年 | ・横手市等で8月初旬~中旬にかけて番水を実施すると共に、地区内全域に「節水のお願い」についてチラシを回覧した。 |
平成23年 | ・湯沢統合堰をはじめとする川沿いの地区で番水を実施。最も番水が長期に及んだ地区では、7月中旬から8月中旬にかけて実施した。 |
平成24年 | ・玉川発電所では、玉川ダム貯水位の低下に伴い92日間の発電停止。 ・成瀬頭首工ならびに皆瀬頭首工がかりのかんがい地区では、地区末端までの用水の確保が困難となり、水田の地割れ等が生じ、 地下水取水による対応や用水路間の流量調整、番水等が実施された。 |
平成27年 | ・上流域の湯沢市、横手市では、6月中旬から8月下旬まで番水を実施した。 ・利水者に対し渇水状況説明のうえ節水を呼びかけた。 |
【出典】秋田県消防防災年報、各市町村聞き取りによる
当資料内においては、渇水被害位置を明確にする観点から、平成13年以前は旧市町村名で表記
※1 減圧給水: 水道水を給水する圧力を下げて水の出る量を少なくして給水を行うこと。
※2 時間給水: 水道水の給水を時間規制して給水を行うこと。(例: 7:00~9:00の2時間の給水など)
※3 減水: 水道水の水量が減ること。
※4 番水: 渇水や干ばつ等による被害を最小限にくい止めるために行われる水の配分制度。(時間別やブロック別など)