国土交通省東北地方整備局 成瀬ダム工事事務所


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  4. 第53回 成瀬ダムの自動化について学ぼう!!~堤体打設工事編~

前回に引き続き自動化について学んできました!
今回は堤体打設工事編です!皆さんが気になってるあそこに行ってきましたよ~♪

続いて、見学させていただいたのは堤体JVさんの管制室です。
テレビや新聞で何度も取り上げられている最新技術を見せていただきました!

管制室は鹿島DXラボの2階にあります。実は1階のDXラボも入ったことがなく…初めての体験をさせていただきました。
見学された皆さんにも大変好評の施設です!最先端の技術にチームCSGも取材を忘れ夢中になってしまいました

いよいよ管制室です!・・・が管制室内の撮影は禁止となっているので、鹿島さんのWEB記事の写真を参考に載せておきますね(o^―^o)

とてもスッキリしていておしゃれな感じで建設現場と思えないですよね。
アップルの本社をイメージしているそうですよ!

建設業は労働者不足に(特に若い世代)のため、若い世代に建設業に入ってもらえるように未来の仕事が建設業にあることをPRしたり、いろいろな取り組みをされているそうです!

取材にお邪魔した日は3人の「ITパイロット」と「通訳」の方が仕事をされていました。

先ほどの、管制室の写真はブラインドが上がっていて、現場を見下ろしていましたが、今は閉め切っていました。
堤体の高さが、窓の位置より高くなり、目の前には壁が広がっており、全てモニターを見ながらの作業を行っているそうです。
遠隔操作で作業を行うこともしているそうです!
小石原川ダムや大分のダムでも自動化を実施していますが、3リフトや1区画だけで、ここまで全体的に実施しているのは成瀬ダムが初だそう!

成瀬ダムは台形CSGダムですが、小石原川ダムや大分のダムはロックフィルダムです。
自動化をする上でどんな違いがあるのでしょうか
    ・ロックフィルダムでの自動化は材料が4種類あるため、それぞれ押し方に違いがあるところが大変なんだそうです。
・CSGは打設箇所によってちょっとずつ違いがありますが、施工法には差がありません。でも、時間の縛りがあるところが大変なんだそうです。
取材中には雷と豪雨のため、電源が落ちるアクシデントも!!
予備電源が備わっているため、自動化には問題はありませんでした!
堤体の打設面に移動し、実際に自動化での作業の様子を見に行きましたが、豪雨のため有人での作業に切り替わっていました。残念(T_T)
作業のすべてが無人ではなく、端の作業や最後の仕上げは有人で作業しています。得意な分野を有人と自動と分けることで効率よく仕事ができるのですね!


あるくの取材でも何度か出てきている「スリランカの作業員さん」が、ここで登場!
急な豪雨のため、普段は無人で稼働している重機に乗って動かしていました!

急に雨が降ってきたときは、散水車などの他の重機を運転している人が無人の重機に乗り換えて作業をするそうです。
管制室にいた通訳さんは現場に居るこの方に指示をしていました。
この作業員さんから、重機に乗車している作業員さんへと指示が送られています。
堤体の上から見た減勢工です。
減勢工をこんな位置から見られるなんて…貴重な体験をさせていただきました(*^_^*)

2023年度にはCSG製造プラントから全自動運搬システムと連携する自動ダンプトラックを加え、3機種23台の連携による自動運転を実施!!

側面の①保護コンクリートと②洪水が流れ下る部分を打っています。この型枠が移動するときも自分で動く仕掛けになっているとのこと!(一般的にはクレーンに吊られて移動)


最後は新たな見学スペースにも登らせていただきました!
ちょっと階段が怖かったです…
見学スペースはこんな感じです!
堤体の右岸側から現場全体を見ることができます
「7月の夜の現場見学会」時の見学スペースから見た堤体。 新たな見学スペースから見た堤体。

比べてみてどうですか?
堤体を見渡せて、減勢工もしっかり見えますね!7月の夜の見学会の時はまだ見学スペースは完成していませんでしたが、高い位置から見れるので障害物なども無くて良いですね!




ここで、堤体打設工事編の少しマジメな話。

前回の原石山採取工事編でも最後の方に掲載しましたが、堤体打設工事編でもインタビュー形式で伺った内容を紹介したいと思います。


質問した内容↓
◇自動化に取り組む背景
◇なぜ成瀬ダムで自動化に取り組むことになったか
◇自動化によりこれまでに分かった効果は?
◇これまで実施してきた中での課題は?
◇自動運転を行う上での安全対策は?
◇自動運転の今後の展開は?


◇自動化に取り組む背景

 日本の建設業が抱える課題(技能者の不足、上がらない生産性と安全性)解決の方法をして、AIやロボット技術を活用したけんせつ生産システムで取り組みたい。
 建設業の課題として、ピーク時(1997年)から約30%も減少した建設業就業者、若年層の減少。製造業などに比べ低い生産性(20年前から殆ど変わっていない)、全産業に占める死亡災害数のうち建設業が30%程度と高いことがあげられます。
 その解決策として、
 
Automated(自動)/Autonomous(自律)/Advanced(高度)/Accelerated(加速)
Construction(建設)system for Safety(安全),Efficiency(効率),and Liability(責任)
 →
A4CSEL(クアッドアクセル)
  生産性の高い施工計画と自動化した汎用建設機械で「現場の工場化」を目指しています。


◇なぜ成瀬ダムで自動化に取り組むことになったか

 豪雪地帯である成瀬ダムでは雪の降らない7か月間に集中して打設を進めるためには、大量のCSGの高速施工が求められます。そこで成瀬ダム事業の合理化に加え、建設業の課題解決に貢献するためにも自動化施工を導入することにしました。


◇これまでに分かった効果は?

 省人化による労働者不足解消、AI技術を活用した連続施工による生産性の向上とCSG施工での品質の均一化、安全性の向上、重機の無駄な動きが減りCO2排出量削減に繋がります。


◇これまで実施してきた中での課題は?

 地山や構造物に近い狭隘なエリア、端部での作業、積込み作業、掘削作業など、まだ自動化施工を現場導入していない作業の自動化です。


◇自動運転を行う上での安全対策は?

 自動化施工エリアへの立入禁止、各種センサーによる障害物や人に対しての自律的停止、通信が切れた際の自動停止、自動化重機の予定経路から逸脱で停止などです。


◇自動運転の今後の展開は?

 造成工事など重機を使用する工事に広く展開、JAXAとの共同研究による月面探査や開発をしています。

もっと詳しく知りたい方は、鹿島建設さんが公開しているHPをご覧ください。

A4CSELについて(鹿島建設株式会社HPへ移行します。)
A4CSEL of Dam 
動画で見る鹿島の土木技術


原石山編、堤体編を通してどちらも、建設業が抱える高齢化、人手不足。生産性向上に繋がる技術として、ICT活用や自動化に取り組んでいる事が分かりました。
特に、成瀬ダムの様な大規模な工事現場では、重機が主体の繰り返し作業や同じような作業だと自動化を行うことで効率化が計られると思われます。
今後、これらの具術は成瀬ダムの他にも様々な場所で使用され、更なる機能向上や安全性が高められていくことと思います。  By親方





 うまく伝えきれない部分もあると思いますが、成瀬ダムで行われている最新技術に興味・関心を持っていただけたら嬉しいです(*^_^*)

取材中、虹が!!
二重にかかっているのが分かりますか?
雷雨で自走運転は近くで見られず、残念でしたが虹はきれいでした(*^_^*)

第52回 成瀬ダムの自動化について学ぼう!!~原石山採取工事編~TeamLOGO

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