前回のあるく第39回では原石山の発破編をお送りしました!
そして今回は骨材プラント編をお送りしますよー!
さて、先ほどの【岩判定】で「使える」と判定され採取された岩は 【骨材プラント】というところに運搬されます。 骨材プラントとは 原石山で採取した岩石を機械を使って砕き、コンクリート用骨材(砂や砂利)とCSG用骨材を製造する場所です。 |
☝夢仙人大橋や成瀬ダムの展望台からも見えるので、見たことがある人も多いのでは?
岩判定~骨材製造までは☟のような流れになっています。(かなりざっくり説明です。)
使える岩は材質区分により【B材】と【C材】に区分され、骨材プラントへ運搬されたのち各粒径ごとに振り分けられ、貯蔵されます。
【岩判定】でやっていた オンサイト計測法で、B材かC材かを最終判断します。
オンサイト計測法で区分したのでOK!完璧!と思うのですが、 それはあくまでも迅速に原石判定するための手段。
工業製品の規格や測定法が定められた日本産業規格(JIS)の製品試験も行い、機械で出た結果(オンサイト計測法)と手作業で出た結果の両方のデータを取っておくそうです。
製品試験を行う試験室は骨材プラント内にあります。 |
骨材プラントで砕いた岩を“フルイ”に掛けて粒径(大きさ)を分けます。 |
網目から落ちた岩石はさらに小さいサイズの網目のフルイへ。 網目のサイズを変えて、粒径を分けていきます。 (☟は2㎝の網目) |
ふるい分けられた岩石は粒径ごとにバケツへ。 |
吸水率を出した後は〇の乾燥機で24時間乾燥させ、完全に水を抜いた後密度を測り、使用可能か判断するそうです。 |
このような試験を全てクリアしないと、堤体材料として提出できないそうなので、地道な作業ですがとても重要です・・・。
試験室の片隅には電子レンジとフライパン。 お昼ご飯などの調理用ではなく、24時間の乾燥が待てないときに使用するそうです。 (ちゃんとした公式な作業法ですよ!) |
試験室をあとに制御室へ! 制御室はプラント内にあり、そこも見学させていただきました(*^^*) とてもきれいなオフィスでしたよ! |
☝骨材プラントの場内図。 巨大な敷地と多数の機械、どんな風に管理しているかというと・・・
5名のオペレーターの方々がコンピューターで監視・管理を行っていました! |
骨材の種類ごとに人員を配置。 エラーや不具合があると、PC上の作業図に表示され、点検に行く場所なども一目でわかるようになっているそうです。 |
堤体打設工事の方もですが、コンピューターで重機を動かしたり、巨大な敷地にある機械を少人数できれいなオフィスで管理したり・・・すごいですよね
作業効率が上がるのはもちろんですが、土木や建設業のイメージも変わると思います(*^^*)
ちなみに、制御室にはこのような模型が設置されていて、ボタンを押すとどのルートを通って製造されていくのかがLEDで光るようになっています。わかりやすい!
他にも、プラント内で稼働している破砕設備やフルイ分け設備なども写真付きで紹介されていたり、 |
実際に骨材を見たり触れたりすることもできます(*^^*) |
制御室を見たあと、最後は歩いてプラント内を見学! |
B系骨材はここから搬入され〇の【ジョークラッシャー】という破砕機で一次破砕されます。
大体60㎝四方くらいの大きさの岩石をここで15㎝四方サイズに砕くそうです。
砕いたら、この【サージパイル】というところに 一旦溜めておきます。 |
サージパイルの地下はトンネルになっていて、ここからベルトコンベアでフルイ分け設備に運ばれます。 各粒径の在庫量によって製造する量が変わるので、その日によってサージパイルから運び出される量も変わるそうです。 |
運び出された岩石はフルイ分け設備へ。 (スクリーンタワーとも呼ぶそうです。) 設備内にも特別に立ち入らせていただきました(*^^*) |
この機械には各粒径サイズの網目状のフィルターが設置されていて、振動によってふるいわけられます。 |
フィルターを通り抜けた該当サイズ外の岩石は下を通るレーンに落ち、さらに小さいサイズの網目のフィルターの上でふるい分けられます。
この作業を繰り返し、該当のサイズごとに分けられます。
粒径ごとに振り分けられた岩石はベルトコンベヤで貯蔵設備へ運ばれ、ストックされます。 |
C系骨材は大きさがワンサイズのみなのでこの破砕設備で8㎝四方に砕いたら終了です。 |
ちなみに砂はA系骨材とB系骨材から作っているそうです。
左が【ロッドミル】、右が【ボールミル】という製砂設備です。
【ロッドミル】は ☜の鋼棒を円筒形のドラムの中に入れて一緒に回転させて、鋼棒が落下する際の衝撃によってドラムの中に入れた岩石を細かく砕く粉砕機とのことです。 |
【ボールミル】は円筒形のドラムの中に☝右図の鋼球〇を入れて一緒に回転させ、すりつぶして微細な砂を製造することができる粉砕機です。
一緒に入れた鋼球も削られることで〇のように小さくなってしまいます。
出来上がった砂は岩石と同じように貯蔵設備へと運ばれ、ストックされます。 |
プラント内のありとあらゆる施設を間近で見学させていただきました!
どの設備も迫力満載でマニアにはたまらない空間だと思います・・・!
ちなみに、プラント内を網羅しているこのベルトコンベヤーの総延長は2.5㎞だそうです!
そして、こんなに広い敷地なのになんと電気が通っておらず・・・
場内に設置した4か所の発電所と23台の発電機でまかなっているそうですよ(;∀;)
さて、今回は原石山の発破~骨材製造過程を1日かけて取材させていただきました。
お忙しい中、ご対応していただきました原石山JVの皆様ありがとうございました!
原石山工事の見学会を望んでいる方が多数いらっしゃいましたね…
(Twitterで反応をくれた皆様ありがとうございました☆)
原石山JVの皆様、見学会の開催をぜひともご検討ください(笑)
第39回 原石山工事の見学に行ってきました!~Part.1 発破編~ 番外編 東成瀬村のホタル~五里台地区で見れました~