北上川は日本の河川の中では比較的勾配が緩いことが特徴です。その海抜高度は盛岡市で126m、紫波町で100m、花巻市で71m、北上市で63m、水沢市で51m、一関市で25mと南へ行くにしたがってわずかずつ低くなっています。一関市狐禅寺狭窄部を境にして、上流側と下流側では河床勾配が異なり、上流部の紫波橋(岩手県紫波町)より上流では1/600〜1/800、紫波橋〜大曲橋では1/1,000程度、狭窄部付近は1/2,000〜1/3,000程度です。狭窄部から河口までは延長約80kmありますが、その間の高低差はわずか十数mしかなく、緩い流れ(勾配は1/8,000〜1/10,000)になっています。洪水時、北上川の水位が上がると排水ができなくなり、昔から水害に悩まされてきました。
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