水利用の状況

※平成13年9月現在
かんがい用水は許可水利権による
利水の現状と課題
最上川は渇水時と豊水時の水量差が大きく、水利用においては不安定な状況です。河川環境の保全・復元・安定取水のためにダム等の水資源開発や関係機関との連絡調整、低水管理の確立、そして流域を単位とした水利用調整の充実が求められます。


河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する目標
上水道用水や工業・かんがい用水等の利用と、動植物の保護や舟下り等に必要な流量の双方を満足させるための「流水の正常な機能を維持するため必要な流量」の確保を図り、渇水被害の軽減に努めます。



流水の正常な機能を維持するため必要な流量


新たな水資源の開発
整備計画期間内の確保流量
主要地点 地先名 確保する流量
中郷 寒河江市中郷 概ね 8m3/sec
稲下 村山市南河島 概ね 27m3/sec
高屋 戸沢村高屋 概ね 57m3/sec
既設ダムを適切に運用するとともに、新たに長井市平野地点に長井ダムをつくり、概ね10年に1回程度起こりうる渇水時においても流量を確保し被害軽減を図ります。

確保流量:渇水による取水障害や河川の生態系に及ぼす影響を極力軽減させるため確保するべき流量

水資源の有効活用 限りのある資源の水を有効に利用するために、再利用推進、節水の促進等を図る社会の構築を行い、ダムの利水補給運用や適正な水利権量の見直し等水利用の合理化に務めます。

渇水時における
関係機関との連携
日頃から節水を呼びかけ、また渇水の恐れがある時は早い段階から関係機関と連携し、渇水被害の軽減に努めます。



河川環境の現状と課題
動植物を育む豊かな最上川。また、最上川そのものの流れと歴史・文化の多種多様な河川利用。これらの環境を後世に伝えられるよう整備・保全していかなければなりません。



河川環境の整備と保全目標(動植物)
最上川の豊かな自然環境は、多様な動植物を育んでいます。水域の瀬・淵や湧水箇所の保全と清らかな流れとしての水量・水質の維持に務め、水際からの緑の連続性を確保し、動植物の生息・生育環境に配慮した「多自然型川づくり」の実施に努めます。
多自然型川づくり(施工例)
植物や生物の生育環境保護を目的に、鳥や魚に配慮したブロックや、景観に配慮した擬石連節ブロック等を配置し、豊かな自然環境を創出します。

施工直後

施工から5年後
河川水辺の国勢調査
河川環境に関する基礎情報を収集・整備するための調査を、今後も継続的に水辺環境の把握とより良い川づくりに役立てていきます。

水辺の国勢調査
河川環境情報図の作成
河川水辺の国勢調査結果や既存文献等をもとに、河川環境情報図の作成を行い、その成果は各種計画の策定や維持管理などに活かしていきます。

河川環境情報図
魚がのぼりやすい川づくり
(施工例)
魚類の遡上に支障をきたしていた既設の床止め(床固)を全面魚道タイプに改築。

天童豊栄床固

水道原水としてのおいしい安全な水の確保、各種用水の水質保全・回復に努めます。さらに水質調査を継続的に実施し、水質事故に対する被害軽減にも努めます。
水生生物調査(河北中学校科学部)
   
紅花の路として栄えた舟運の歴史と文化の継承・醸成が図られるよう河岸景観の維持・形成に務め、工事による景観改変も極力小さくするよう努めます。
最上川ビューポイント
   
レクリエーションやスポーツ、交流の拠点となる場を創出し、自然学習の場の提供や川への関心を高める活動も支援しながら、活力ある地域づくりを促進します。
長崎せせらぎ公園


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