小川原湖の概要

概要

小川原湖は、十和田湖のように火山活動によりできた湖(カルデラ湖)とは異なり、入江の一部が海面低下と湾口の砂丘の発達により形成された海跡湖で、 広さでは我が国第11番目(汽水湖では5番目)、平均水深約11m、最大水深25mとなっています。

その成立年代等については明らかではないですが、今から3千年前頃(縄文後期)からの全世界的な気候の低温化に伴う海面低下により
すでに形成されていた内海が後退し、湾口が海岸砂丘の発達により狭められ、徐々に現在の湖の姿を形成していったものと考えられています。

湖岸線の丘のいたるところでは、気候のおだやかな内海の時代に住んでいたと考えられる縄文時代の人々の使用した土器等が数多く出土しており、
古くから小川原湖と人々の生活は深いかかわりをもっていたことがよくわかります。

小川原湖とその周辺の地形は、洪積台地及び沖積低地よりなる比較的平坦な面で形成されています。地質は、台地の洪積層は砂質土が主体で、
その上部を八甲田山の火山灰が覆っています。低地の沖積層も砂質土が主体の地区が多いが、内沼周辺及び湖奥部の姉沼、砂土路川等の地区では、
腐植土、粘性土よりなる軟弱地盤層が厚く発達しています。

小川原湖への流入河川の主なものは、高瀬川(七戸川)、砂土路川、土場川、姉沼川などで、湖の西南部ないし南部から流入しています。
流出河川は高瀬川で、湖の東北端から約7kmで太平洋に注ぎます。潮汐によって、海面水位が湖水位より高くなる時期には、
海水が高瀬川を通って湖に逆流することがあり、小川原湖の水質や生物に大きな特色を与えています。

小川原湖の諸元

湖流域面積 805.4k㎡
水面標高(平均) T.P+0.560m
湖面積(k㎡) 65.58 小川原湖 63.20
内沼 0.85
姉沼 1.53
湖容量(x106㎥) 721.0 小川原湖 714.0
内沼 2.8
姉沼 4.2
湖岸延長 82.7 小川原湖 67.4
内沼 8.0
姉沼 7.3
平均水深 約11m
最大水深 25.0m
年間流入量(H1~H10平均) 695x106m3

小川原湖の湖沼

湖面積(km2) 周囲長(km) 水深(m) 汽・淡水湖別
最大 平均
1 琵琶湖 671.78 277.38 103.6 41.0 淡水湖
2 霞ヶ浦 208.13 219.97 7.0 4.0 淡水湖
3 サロマ湖 150.81 90.25 19.5 8.7 汽水湖
4 猪苗代湖 103.36 62.67 94.6 35.7 淡水湖
5 中海 95.65 211.90 9.0 5.4 汽水湖
6 屈斜路湖 79.37 58.47 117.0 42.0 淡水湖
7 宍道湖 79.11 47.76 5.7 4.5 汽水湖
8 支笏湖 78.39 42.22 360.1 266.0 淡水湖
9 洞爺湖 70.70 52.18 179.2 117.0 淡水湖
10 浜名湖 70.51 141.42 16.6 4.8 汽水湖
11 小川原湖 63.20 67.40 25.0 11.0 汽水湖
その他 十和田湖 61.10 71.78 327.0 71.0 淡水湖
田沢湖 25.79 20.80 423.0 280.8 淡水湖