阿武隈川の名前 |
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阿武隈川は、平安時代には「あふくまがわ」と呼ばれており、歌枕にもなっていました。 阿武隈川は古来より、いろいろな呼び方や書き方をされてきており、 「あぶくまがわ」や「おおくまがわ」と呼ばれ、阿武隈川、大熊川、逢隈川、合曲川と書かれています。 阿武隈川の語源は、福島県白河郡の西甲子岳の山中に住んでいた、 大熊(青熊・生態)に由来すると言う説がありますが、これは定かではありません。 阿武隈川の「隈(クマ・曲)」とは、川が蛇行すること言われていて、 確かに阿武隈川の中流から下流にかけて、「隈(蛇行箇所)」がたくさんあります。 また「隈」と言う字が使われている名称、地名などは、逢隈橋・亘理町逢隈など、 福島県から宮城県にかけて、阿武隈川流域に点在しています。 【参考文献】 阿武隈川下流域の地名・伝説の考察 「平成12年度阿武隈川下流水回廊構想懇談会 歴史・文化を語る会」 |
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阿武隈川流域の水に関する地名 |
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阿武隈川は古来より、沿岸流域に住む人々との生活の総ての面に大きな影響を与えてきました。 川と接することにより、その特徴・特質をよくとらえ、 その土地土地に恐れ・驚き・感謝・愛着・祈り等の感情をこめ、 率直で適切で相応しい地名を残しています。 例えば丸森橋から上流部は、岩を砕くような激流であるため、 「滝」や「巻」と呼ばれる地名や箇所が多数あります。 これは激流になっている所の川の流れは非常に変化や特徴があること、 そしてこの表現は漁撈(ぎょろう)のため、 川の様子や状態をよく知る必要があることから生まれ名付けられたものと考えられています。 たとえば… 伊具郡丸森町字滝ノ上 伊具郡丸森町字大巻北、字大巻南、字岡巻 逆に川の流れが穏やかになる丸森橋から下流部は、 上流部のような名称は少なくなり、「川前」「川原」「島」「土手」「谷地」などの地名が多くなります。 【参考文献】 阿武隈川下流域の地名・伝説の考察 |
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阿武隈川の岩にまつわる伝説 |
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阿武隈川には、伝説のある岩や石が点在しています。 ここに2つの伝説を紹介したいと思います。 |
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<弘法の噴水> | ||||
昔、弘法大師が諸国行脚の途中にこの地を通りかかりました。 この年は、阿武隈川も干上がるような大干魃に見舞われていました。 炎天下を旅してきた大師は喉が渇いてしまい、村人に水を所望しました。 飲み水さえなかった村人でしたが、水瓶の底に僅かに残っていた水を大師に差し上げました。 渇きをいやすことができた大師は「お礼がしたい」と言い、 川岸の大岩(廻り石)へ行き、真言を唱え、持っていた錫杖で岩を突きました。 そして、「私が去った後、この岩から枯れることのない水が出てくるだろう」と言い残して去って行きました。 暫くすると、大師が錫杖で岩を突いた所から、本当に水が噴き出したと言います。 村人達は大喜びして、この水を「弘法の噴水」と呼びました。 場所 : 伊具郡丸森町舘八間山田 |
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<廻り石> | ||||
阿武隈川が県境の激流を越え穏やかな流れになった地点の右岸に、 巨大な岩が川に迫り出すようにしています。 昔、この大岩の対岸の村に船頭をしている一人の若者が住んでいました。 若者は貧しかったがまじめな働き者で、篠笛が上手でした。 若者は仕事の合間に大岩へ舟を漕ぎ出し、笛を奏でるのを楽しみにしていました。 若者は村の対岸の村の大きな農家の娘のことが好きでした。 二人は人目を忍んで日が暮れてから大岩で逢瀬を楽しんでいました。 将来を誓い合っていた二人ではありましたが、 反対する娘の両親は娘を奥座敷に閉じこめました。 ある夜、娘は座敷を抜け出し、逢瀬を楽しんでいた大岩まで行き、 大川に身を投げて死んでしまいました。 このことを知った若者は、深い悲しみから笛も吹くのを忘れ、 終日大川の流れを見つめていました。 ある夜、娘が身を投じた大岩に行き、娘の好きだった笛を吹くと、 不思議にも突然娘が現れ、じっと聞き入ってにっこりと微笑みました。 若者はいつまでも笛を吹き続け、毎晩幻の逢瀬を楽しんでいたといいます。 しかし、ある日を境に若者の姿は見えなくなり、 死んだともどこかへ行ったとも伝えられましたが、誰にもわかりませんでした。 二人が逢瀬を楽しんだ大岩はその後、廻り(めぐり)石といわれ、 若者たちの悲恋も語り継がれています。 【参考文献】 阿武隈川下流域の地名・伝説の考察 |
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