「基礎地盤漏水」については､堤防の機能に支障が生じる変状履歴の有無、基礎地盤のパイピング破壊に対する安全性照査の結果等により評定するものとしたものである。
　基礎地盤漏水から堤防の機能の支障が生じる変状として、基礎地盤のパイピングが生じ、天端の陥没・崩壊に至る現象に着目することとし、堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状履歴があり、類似の変状が繰り返し発生している箇所をAランク、堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状履歴があり、類似の変状は発生していないが、安全が確認されていない箇所、又は堤防の機能に支障は生じていないが、進行性がある変状が集中している箇所をBランクとするものとする。
　また、類似の変状の有無にかかわらず、「河川堤防設計指針」に基づく基礎地盤のパイピング破壊に対する安全性の照査の結果、G/W≦1（堤内地地盤の表層が透水性の低い土で被覆されている場合）、局所動水勾配i≧0.5（それ以外の場合）となる箇所のうち、堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状履歴がある箇所をAランク、堤防の機能に支障が生じる基礎地盤漏水に関係する変状が確認されていないが、所要の対策が未施工の箇所をBランクとするものとする。
　加えて、過去の被災履歴が受け継がれている箇所など、水防団等と意見交換を行い基礎地盤漏水が生じる可能性が特に高いと指摘された区間をAランク、基礎地盤漏水が生じる可能性が高いと指摘されている区間をBランクとすることができるものとする。