床版(しょうばん)とは、橋の上を通る車両の重みを橋桁(はしげた)や橋脚(きょうきゃく)に伝えるための床板(ゆかいた)の事です。
型枠設置前 型枠設置後


床版の型枠は橋桁の上に主に木の板を組み立てて設置します。床版の底は桁にうまく力が伝わるようでこぼこした形をしています。

型枠の上に鉄筋を並べ、鉄筋同士を細い針金でくくりつけます。

型枠、鉄筋の組立終了後、生コン車で運搬された生コンクリートを橋の上へポンプで送って流し込みます。
橋の下は一般道なので橋の横からコンクリートを流し込むことが難しいため、写真のように床版の中ほどに穴を開けてコンクリートの送り出し口を設けています。
この穴の部分はポンプでのコンクリート汲み上げが一通り終わってから、一番最後に施工します。

コンクリートを流し込んだ後は、天候などの影響でコンクリートが固まる条件が悪くならないようマットやシートを被せてコンクリートを保護します。これを養生(ようじょう)といいます。

冬場は気温が氷点下まで下がってしまうため、ヒーターで温かい風を送り込みながら養生しなければいけません。床版を養生するときには、床版の下にもヒーターを置いており、下からも温めています。コンクリートは温度の低い状態で養生するとなかなか固まらないだけでなく、固まった後のコンクリートの強さが不十分になってしまうので、養生におけるコンクリートのコンディション管理は非常に重要です。

床版の側面には車が下に転落するのを防ぐため高さ1mのコンクリートの壁をつくります。この側壁を壁高欄(かべこうらん)といいます。また、中央分離帯もコンクリートで壁を作ります。

この柵は落下物防止柵です。仙台東部道路を走る車から積み荷がこぼれ落ちたりゴミのポイ捨てなどによって、下の一般道へ物が落下してしまわないよう、壁高欄の上にこの様な柵をつけています。

床版工工事が完了したところを眺めると写真のような風景になります。壁高欄から中央分離帯までの幅は10mほどで、片側2車線の幅広い道が続きます。

舗装をする前に出来上がった床版に、防水処理を施します。この行程は、床版の耐久性を向上させるために欠かせません。

詳しくは を参照