全長229km、流域面積7,040km²の最上川。日本三大急流に数えられる最上川は、山形県の母なる川として遠い昔から稲作や舟運を支え、人々に多くの恩恵を与えてきました。一方で、洪水などの災害を起こしてきたのも事実です。その最上川の河口港として有名な酒田港は、航路、線形、水深共に不安定な場所で、古くから産業交通の要所として重要視されていた所だけに、明治期からさまざまな改修工事が行われてきました。しかし抜本的な解決には至らず、最善の策として、港と最上川を完全に分離することとなりました。それにより、大型船舶の入港が可能になるなど国際貿易拠点としての発展を続け、現在の庄内の繁栄を支え続けています。
全長70km、流域面積857km²の赤川。現在は朝日山系以東岳に発し日本海に注ぐ単独の水系ですが、もともとは最上川の支川でした。酒田市黒森地区付近で大きく迂曲して合流していたことから、大雨などによって川の水が増えるたびに氾濫を繰り返していました。そのため、大正から昭和にかけて庄内砂丘を開削し、直接日本海に注ぐ現在の赤川になりました。しかし、川の長さが短く勾配が急なため、大雨が降れば大量の水が一気に流れて水害が頻発していました。昭和51年に改修計画が見直され、戦後最大といわれる昭和44年のような洪水でも安全な川を目指し拡幅事業をはじめとするさまざまな整備をすすめています。