四十七災害体験
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能代市中川原 大山 千代治 (六十九歳) |
昭和四十七年七月九日は忘れられない日です。三十才で、我が家を新築、七年目に遭遇した水害です。あの日、午前十一時頃、米代川の状況を決壊した上流の堤防で見ますと、水位
も下がってきておりました。もう大丈夫と思い、自宅に戻って昼食でもと準備していると、緊急に避難を呼びかける市の広報車が廻ってきたので、急ぎ、戸締まりをして家を出る。駅前の食堂で昼食をし、自宅への途中、堤防決壊の警報が鳴り響いた。踏切を過ぎ自宅が見えるところへ来ると五分もせずに堤防を破った激流が押し寄せ、刻々と水嵩は増し、十分の間に我が家の二階窓辺までとなり、近所の平屋の家々は水没状態となったのです。水の恐ろしさを改めて実感しました。苦労して建てた家、万感胸にきました。天災なのか、人災なのか、考える間もなく翌日から復旧作業につきました。運河の木橋は流され、仮橋を渡って自宅に帰り中に入ると、家財は部屋の中を泳ぎ廻って倒れ、三帖間の畳は天上まで跳ね上がり、畳を外へ運んで出すのに大人が三人がかり、座布団も一人でやっと持てる程であり、四メートル道路には、家々から出された家財が山積みとなりました。 |
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