目的(治水・利水・環境)
洪水を防ぐ
地域の人々の暮らしを守ります
ダムがない場合、大雨が降ると川は氾濫し大きな被害を出すことがあります。三春ダムは、洪水調節などを行って川の氾濫を低減し、大滝根川と阿武隈川流域に住む人々の暮らしを脅かす浸水被害を軽減します。
流量を調節して、下流の洪水被害を軽減します
三春ダムでは、台風や大雨によって流れ込んでくる洪水を、貯め込むためあらかじめ空けておいた貯水池に貯めこみ、下流には流して安全な分だけダムから水を流すことにより、ダムがなかった場合に比べて下流の川に流れる水の量を減らします(洪水調節といいます)。ただし、異常な豪雨によりダムの計画より多い量の洪水が流れ込んできた場合、ダムに貯め込む量にも限界があるため、下流に流す量を徐々に増やし、流れ込んでくる水の量と同じ量を下流に流すことがあります。
台風や大雨による洪水が起きやすい季節には、前もって洪水を貯めるための準備をします。
大雨の時、さくら湖にはたくさんの水が入りますが、下流には少しずつ流して、水を貯めます。
雨が弱くなり入ってくる水が少なくなると、洪水が起きない程度に貯めた水を少しずつ流します。
雨がやむと、水位を下げて次の洪水に備えます。
三春ダムでは、最大1秒間に700m3の水(50mプールの1.5倍の水)が流入した場合、そのうち600m3をダムに貯めて100m3を下流に流します。台風などの大雨によって河川が増水してもダムに貯めて下流での水害を防ぎます。
※上のグラフで点滅している部分がダムに蓄えられる水量となります。下の水色のラインが放流量となります。
大滝根川及び阿武隈川沿川の洪水被害を軽減します
三春ダムでは、平成23年9月の大雨により三春ダムへの流入量が100m3/sを越えたため、「流入量が100m3/s以上となった際に100m3/sの一定放流とする洪水調節計画」に基づき、最大流入量350m3/sに対して250m3/sをカットする洪水調節を行いました。
さらにその後も、下流部の阿武隈川阿久津地点の水位が危険水位を越えてさらに上昇し、重大な災害を生ずる恐れがあったことから、ダム貯溜状況や今後の降雨予測等により総合的に判断し、特例として一定時間ダムからの放流を行わない「全量カット」を実施し、阿武隈川の水位上昇を極力抑えました。
これらのダム操作により、阿武隈川阿久津地点の最高水位を約0.5m低下させることができたと想定されます。
ダムによる洪水調節の限界
ダムの持つ洪水調節機能には限界があり、三春ダムのみで下流域の洪水を防げるわけではありません。そのため、他の治水対策と一体的に対策を実施することにより、洪水被害の軽減に取り組んでいます。また、地域の方々との情報共有、連携を深め、被害を最小限にとどめるため、地域の方々による自主防災に向けた取り組みを進めています。