たんせレイクニュース37号

第28回ダム建設功績者表彰受賞 田瀬小学校


 田瀬小学校が、(財)日本ダム協会からダム事業功績者として表彰されることが決まりました。長年にわたるダム周辺の環境美化の取り組みが高く評価されたもので、環境保全・美化部門では全国で唯一の受賞です。表彰式は11月21日に東京で行われます。

 

田瀬湖の湖面巡視や清掃活動

 田瀬小学校は昭和51年4月に田瀬地区内の2つの小学校が統合して出来た、児童数22名の小学校です。田瀬湖畔の自然豊かな高台に校舎がある田瀬小学校は、開校の当初から田瀬湖とその周辺の環境保全・美化に取り組んできました。
 最近では、田瀬湖の湖面巡視やクリーン作戦と銘打った清掃活動、工事箇所に植生する貴重植物を学校の花壇に移植するなどの活動を行っています。

地域の活性化やダム建設記録の保存にも貢献

 学校の伝統となっている「清流田瀬子ども太鼓」を継承し、田瀬湖での行事や福祉施設等での演奏、田瀬カルタの作成や校内展示室での田瀬ダムの建設により水没した家屋の写真展示など、地域の活性化やダム建設の記録保存にも努めてきました。

 
  

ダム建設功労賞とは…?

 ダム建設功績者表彰は(財)日本ダム協会により昭和56年度から行われているもので、ダム建設事業の促進、ダム施工、ダム周辺の整備保全・美化、ダム等工事の専門分野で功績のあった個人や団体に贈られています。
 田瀬ダム関係では、平成8年度に「清流猿ヶ石川を守る会」、平成10年度に旧東和町長を務めた小原秀夫さんがダム周辺の整備保全・美化の功績により受賞しています。


田瀬湖の水質展

 

ものしり館だより

 ものしり館では田瀬湖の水質についてのパネル展を開催しています。
 田瀬ダムでは、田瀬湖や猿ヶ石川の水質の測定を行っていますが、今回はこれまでに測定したデータのうち、昭和56年から平成19年までの田瀬湖のCODやpH、透明度、水温の状況をグラフにして展示しています。
 また、田瀬湖に流入する流木やゴミの状況の写真も展示しています。
 このパネル展は12月まで開催しています。


10月の湖面

アオコ発生状況

 10月のアオコの発生状況は左図のとおりです。
 ダムサイト・向田瀬・白土・田瀬大橋・大高瀬でアオコの発生が見られました。発生の延日数はダムサイトが最も多く11日間で、その他の箇所は4日間程度でした。10月の特徴として、大高瀬付近で今年最も濃い色をしたアオコの発生が見られたことです。7日に大高瀬1号橋付近の左岸から右岸にかけて上下流方向に100〜150m位の範囲に発生しました。
 17日以降はアオコの発生はありませんでした。


田瀬湖の風景C

編集後記

 動物たちが冬ごもりを始めたせいか、ダム周辺も閑散としてきました。ここ数年、山の木の実等が減少しているのか、田瀬ではカモシカが農作物を荒らすといった農家の悩みを耳にします。しかし、天然記念物なだけにどうすることも出来ず、その数は増える一方のようです。農家の方は試行錯誤し、食害対策を講じているそうです。(ただ)

発  行

北上川ダム統合管理事務所 田瀬ダム管理支所
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