森林性コウモリ類のモニタリングとは?

 津軽ダム事業実施区域及びその周辺における森林性コウモリ類の生息状況の把握を目的として、捕獲調査を行っています。

 対象種は、繁殖の可能性が示唆され重要種としてのランクが高い、クロホオヒゲコウモリ、ノレンコウモリを始めとした森林性コウモリ類としました。
●森林性コウモリ類調査結果概要
≪平成24年度のモニタリング調査で以下の内容が確認できました≫
  • 過年度と比較して、対象種の種数に変化は見られませんでした。
  • ノレンコウモリの生息が確認されたことから、本種が生息可能な環境が津軽ダム周辺において維持できているものと推測されます。
≪平成25年度のモニタリング調査で以下の内容が確認できました≫
  • 過年度と比較して、対象種の種数に変化は見られませんでした。
  • ノレンコウモリの生息が確認されたことから、本種が生息可能な環境が津軽ダム周辺において維持できているものと推測されます。
  • クロホオヒゲコウモリは当該地域においても元来、生息数が少ないと考えられます。
●森林性コウモリ類の紹介
≪ノレンコウモリ≫  
【分布】
 北海道、本州、四国、九州、口永良部島に分布します。
【一般生態】
 昼間の隠れ家として、洞穴や樹洞を利用します。採餌は森林中のおもに低層で行われ、飛翔している昆虫類を捕食していると考えられています。 初夏に1仔を出産します。繁殖、冬眠などの生態情報は、ほとんどわかっていません。
【大きさ】
 前腕長 38〜42mm
 頭胴長 47〜55mm
 
≪クロホオヒゲコウモリ≫  
【分布】
 本州、四国、九州に分布する日本固有種です。青森県内では最初に田子町弥勒の滝から報告され、その後白神山地、 十和田湖市蔦、最近では七戸町小坪川林道からも採集されました。
【一般生態】
 ブナやミズナラなどの広葉樹林の下部など、比較的標高の低い場所で見つかることが多く、標高の高い森林に住む フジホオヒゲコウモリとすみわけているとの見方があります。昼間の隠れ家は樹洞で、夜間に出洞し、 飛翔している昆虫を捕らえます。
【大きさ】
 前腕長 30〜34mm
 頭胴長 38〜44mm
 
≪フジホオヒゲコウモリ≫  
【分布】
 本州東北部、富士山に分布します。
【一般生態】
 山地から亜高山の、主として自然林に生息します。昼間の本来の隠れ屋は樹洞と考えられていますが、 家屋に本種が6月頃から集まり(最大100頭近く)、7月下旬頃にはいなくなることが報告されています。
 餌となる昆虫、冬眠時期や冬眠場所、寿命など、不明な点が多い種です。
【大きさ】
 前腕長 35mm
 頭胴長 44mm
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