東北地方の地方都市における「コンパクトシティ」とは何か/「コンパクトシティ」実現に向けた方策は、どんなものか
青森県

県では基本的にコンパクトシティの施策として、各市、各住民との対応の中でつくっていくというふうに考えています。青森市さんの方では、コンパクトシティの形成ということを基本理念として掲げて頂きましたので、マスタープランの中に書かせて頂きました。弘前と八戸は、現在の市街地を基本としてコンパクトで効率的な維持形成を行なう、現在の市街地を基本として効率的な維持形成を行なう、といった、コンパクトを使う使わないは別として、現在のところ維持形成を図っていく、というところです。

北原先生

わかりました。

多分、コンパクトシティという言葉を一番使っているのが青森市だと思いますので、青森市の方お願いいたします。
青森市

青森市はマスタープランを 11 年に策定しております。青森市の地域特性と致しまして、県庁所在地で唯一豪雪都市に指定されており、除雪費が多いときは年間で 20 億、少なくても 10 億ほどかかります。市街地を拡大していくということは、除雪費も併せて都市コストがかかるため、あまり良いものではないという認識が強く出ており、市民の方からも、雪ということからは、理解頂いているというところです。

それからコンパクトシティについては、青森市長が非常に早い時点から標榜しており、平成 3 年頃から会議の中で発言しており、平成 8 年に策定した総合計画でも、コンパクトな都市づくりを位置づけています。こういったものを受けて、計画については、 10 年の中心市街地再活性化基本計画、 11 年の都市計画マスタープラン、同じく 11 年の住宅マスタープラン、それぞれが同じようなテーマでトーンが定められております。

青森市については、コンパクトシティを実現するひとつの目安として、都市の区域を3つに分けて、その区域ごとに整備しております。中心部をメインにしたところをインナー地区と、郊外の宅地と田園が混雑するところをミッド地区、本当の郊外をアウター地区とし、線引きは環状道路を目安としながら明確に位置付けをしております。そして、インナー地区については高密度で利便性の高いもの、ミッド地区については低層、アウター地区については開発を抑制するというかたちで、マスタープランを策定しています。

それから県庁さんから出ましたが、区域マスタープランの中でも、もう当面の市街化は必要ないということで位置付けており、こういうフレームの中がないことと、市街地の開発の位置付けも持たないという形になっています。

開発につきましては、最後に開発の許可がおりたのが平成 8 年ということで、整備構想についても、いろいろご理解を頂いていて、最後の市街地として、昨年特定保留を編入しましたが、今後5年についてはもう市街地は入れないということで、ようやくいまの都市計画決定を県庁さんの方にお願いできたというところになっています。

その代わりといいますか、依然として開発の圧力が、いろいろなところから入ってきております。こういった圧力を、中心部の方になんとか振り向けられないか、それから郊外部など集落に住まれている方々ですが、 18 年で既存宅地が切れるということもあり、自分たちの土地の利用が全くされなくなるのではないか、という不安もすでに出てきています。こういった中でも、コンパクトシティを進めていきたいというのが市長の考え方でもありますので、コンパクトシティについての指標や目安といったものをつくっていけたら、市民にも周知できるのではないかと考えております。
北原先生

はい、ありがとうございます。

では最後になりましたが、八戸市さんはいま合併がらみで暗礁に乗り上げているところもありますが、よろしくお願いします。

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