コンパクトシティそのものの概念は、我々自身どういうものかイメージが掴めていないというのが、正直なところです。
塩竈市は、面積が 18 平方キロで、人口は 6 万で、人口密度は東北一だと思いますし、そういう意味ではコンパクトなところです。離島を抱えていますが、本土部分では約 98 %が市街化区域です。そういう意味では、一定程度開発され尽くしたまちという前提があります。
まちづくりを考える場合、市街区が全て連担している中で、それぞれの自治体があります。それぞれのまちがコンパクトといっても、広域的なことも含めて、なかなか難しい側面があり、人口密度がこれだけ高いにも関わらず、結果的には減少しています。これは産業構造とかいろいろありますが、仙台も含めた周辺の市町村やそれぞれ線引きも含めて、団地開発もどんどん行なわれています。特に一実施帯の中で移動ではなく、隣の町に移っても通勤距離は 10 分〜 15 分というのも、原因のひとつです。
手法は古いのですが、中心部にある 700ha の土地の区画整理事業をやることになりました。行政も市民も、ショッピングセンターを持ってきたらいいんじゃないかという議論しております。テーマは食住商、そこに住んで、そこで商いをしてもらって、そこでおいしいものを食べてもらう、複合的なそういう居住空間をつくっていきたいと考えています。しかしこれは抵抗され、今時そんなマンション建ててどうするのか、もっと手っ取り早いスーパーを持ってきたらいいのではないか、というような蛮声が出ています。居住も含めた空間を中心部に立ち上げるには、いろいろ制度的な問題もありますが、そういうものを目指していきたいと考えています。
仙台都市圏東部地区は人口が 16 〜 7 万ほどなのですが、それぞれのまちで、交通体系等も含めて一緒にやっています。まちづくりのそれぞれの課題についても、ある程度近隣のところと調整、相談しながらやっていかないと、非常に難しいのかなと感じています。 |