今日お配りした資料ですが、ひとつはA4版、もうひとつはパンフレットで、
平成 11 年 10 月に都市計画マスタープランを策定した際の概要版になっておりますので、こちらはあとでご覧下さい。
それでは、A4版の資料について説明致します。まず、仙台市におけるコンパクトシティ実現の取り組みについてです。一枚目に仙台市の現状を載せております。その中で、仙台市はいままで外延的な市街地の拡大が図られてしまっているという現状です。それに伴って、右の図面のように、交通渋滞など諸々の弊害が起こってきています。一番下の、交通手段の変化という割合ですが、仙台市の場合、自動車の比率がだんだん高くなってきて、平成 14 年度になると 50 %を超えた形になっており、それに相反してバスが減ってきています。そして、鉄道が昭和 57 年から平成 4 年に一気に上がってきていますが、これは地下鉄の南北線がこの間に開通したため、鉄道の利用比率が倍近く上がっているという結果になっています。
続きまして2ページ目ですが、さきほど整備局さんの資料の中で、仙台市のDID変化の図面がなかったのですが、それを補足するような資料になっています。青はマイナス、赤はプラス、緑はプラスマイナスゼロという形になっています。上の図面を見ますと、外延的に市街地が拡大したことに伴い、外延的に人口が流出し、中心部が青くなり、 20 %以上減っているところもあります。このような人口の変動とともに問題になっているのが高齢化です。橙色が 25 %以上、青色は 5 %未満ということになっており、中でも昭和 40 年代に開発された住宅地での高齢化率が、非常に高くなってきています。
これらの現状を踏まえて、2ページの下に、仙台市の総合計画に当たる仙台市基本計画を、平成 10 年 3 月に策定しています。これに基づき、都市計画の方針ということで、それら両方ともにこれまでの市街地の郊外拡大のことから、コンパクトで効率的な市街地形成への転換を図るということを、明確に位置付けています。仙台市の基本的な考え方としては、環境への負荷を最大限に抑えるという観点から、集約的な市街地形成を図るというもので、持続的発展が可能な都市づくりというものを進めていくものです。仙台市ではこれらに基づいて各種政策をやっており、いままでのように再開発事業や区画整理事業など、そういうものは鉄道系の駅周辺の開発事業が中心ではありますが、それに加えまして、各種の政策をしております。それが3ページ以降になるのですが、まずひとつ、都市基盤では交通体系のマスタープランという考え方として、アクセス 30 分構想を策定しています。アクセス 30 分構想というのは、まず仙台市市街地から都心部へ、概ね 30 分以内で公共交通機関を使って移動できるようにする、次に拠点ごとの日中の移動も 30 分以内で移動できるようにする、あとそれに合わせてバスの移動時間を短くするような各種施策するというものです。それらの構想に基づいて、事業として実際進めているのが、地下鉄東西線です。昨年の9月に鉄道法の許可を頂き、平成 17 年に都市計画決定をする予定です。一方、道路の整備につきましては、これまではどちらかというと、幹線道路中心の整備でしたが、これに関しましても、鉄道系との連携を図るということで、駅前広場からのアクセスや、それに伴う鉄道周辺の整備などを中心に行いましょうということで、都市計画道路の整備計画もつくられています。それらの施策をすることにより、濃い青の部分が、現時点で公共交通機関を使って、概ね 30 分で都心に移動できる区域となっていますが、それが先ほど申し上げました中期整備ということで、道路の整備、及び東西線を整備することによって、薄い青の部分まで 30 分以内で移動できるよう、各種都市基盤整備を交通施策として行なう状況でございます。そして、コンパクトシティのもうひとつの柱である面的開発ですが、これはいま県さんの方で手続きを進めて頂いていますが、線引きの見直しをしております。その中で、仙台市で考えた開発の線引きに編入する、区域の評価の指標をこちらに入れております。そして、その評価の指標の中に都市構造という項目がありますが、そちらを評価の指標とし、軌道系交通機関の活用ゾーンを一番のポイントとしてあげて、線引きの区域を設定しています。そのため、今回仙台市全体で約 40 地区から線引きの要望があがってきましたが、そのうち最終的には市街化編入、特定保留、一般保留、という区域として位置づけられた場所の中で、住宅系はすべて鉄道の周辺部分という結果になり、コンパクトシティの考え方が反映された線引きになっていると考えています。それに併せて、東西線を整備する際に、沿線の特徴あるまちづくりということで、各駅の周辺にどのような整備をしたらいいのか、各駅別に構想をつくっています。ただ、これについては、市街地化されている部分もあるので、このような場所については、仙台市側からまちづくり案を一方的に提供するわけではなく、市民とともに一緒につくっていきましょうということで、行政と市民の両者で、まちづくり協議会をつくり、どういう形で進めていったらいいのか考えているところです。一例として、卸町駅が出来る卸町地区は商業地域でしたが、流通業務という特別用途の網をかけていて、実際には商業系は立地が出来ない状態でしたが、将来的には駅前になるというところから、その特別業務を一部変更して、商業系も小規模なものをつくれるようにと変更しました。今後も駅の整備という話が具体化した段階で、さらに緩和する方向で、引き続きまちづくり協議会を進めている状況になっています。そして、緑の回廊ですが、これは仙台と 100 年の杜構想というのがあり、仙台駅を中心に半径2kmの幹線道路に街路樹を植えて、緑を多くするという趣旨の施策です。これは、地方整備局さんのご協力をいただきながら、仙台市として都市部の環境の改善や緑を増やす各種施策を展開しているものでございます。 |