東北地方の地方都市における「コンパクトシティ」とは何か/「コンパクトシティ」実現に向けた方策は、どんなものか
秋田市 はっきり申しますと、半分くらいしか売れていないという話です。ただ、秋田市としては基本的に、まちなか居住や都心回帰を都市マスの中に謳っており、中央街区には人が住んで欲しいと考えておりますが、中央街区に公営住宅をつくるという考え方はありませんので、むしろ行政のやり方としては再開発事業を支援し、付随して、民間に住宅系を整備して欲しいという考えです。いま駅のすぐ隣でも区画整理をしていますが、その中にはまた高層マンションが2棟建つような計画になっていますので、もしかしたら中心部の人口が少し伸びてくるかもしれません。
北原先生

分かりました。

それでは秋田県さんの方で、コンパクトシティについて、県としてどんなお考えをしているのか、教えて下さい。
秋田県

県の方では区域マスタープランの策定に取り組んでおりますので、それについてお話したいと思います。

区域マスタープランの策定については、平成 13 年度に県全体の都市の都市づくりに対する基本方針や、ビジョンをまとめております。ただその中では、都市づくりの方向として、コンパクトシティということは特に明示しておりません。ただ線引きはしていく方針は打ち出しております。秋田県内の都市計画区域は全部で 29 あるのですが、現状で線引きを導入しているのは秋田市さんを含めた、秋田都市計画唯一でございます。それについては維持していこうと方針にしております。

29 の都市計画区域について、区域マスタープランを策定しておりますが、コンパクトということを、都市づくりや市街地形成の方向性として打ち出していたものが、全部で 16 ありました。あとはコンパクトな、あるいはコンパクトシティへの理解を、理念的、概念的な理解で捉えている部分が多く、コンパクトな都市づくりと書いてあるところについては、いままでの拡散的な拡大的な方向性を提案していきましょうということで、書いている状況です。ただそれについて、都市施策として何をやっていくかという部分は、まだ具体的なものはなく、これから模索していこうというところであります。

あともうひとつ、トピックスということで、さきほど某大型店の出店の話がありましたが、秋田県でも能代のインター周辺に、大型店の出店構想が持ち上がりました。それに対して、地元市長が中心市街地の活性化というのは重要であるため、市としてはインター周辺に大型店の出店は絶対に阻止するということを、議会で表明したということがあります。市の方では農振を解除しないというスタンスで、強く打ち出しているということがございます。
北原先生

ありがとうございました。
コンパクトなという言葉が 16 個あるという話がありましたが、いまの能代がやっていることが、ひとつのスタイルかもしれません。

それでは次に、仙台市さん、お願い致します。

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