今日お配りさせて頂いた資料は、都市計画マスタープランの中のパンフレットの一部をコピーしたものです。
秋田市のこれまでの都市計画の経緯を、簡単にお話させて頂きます。
秋田市は昭和 27 年に、建設省の総合都市計画基礎調査実施対象都市という指定を受けて、秋田市総合都市計画というものを昭和 32 年につくっております。その時に概ね 20 年先を見越した計画を立てており、それから概ね 10 年ごとに見直しをしてきて、お手元に配ったのが、第5次秋田市総合都市計画、イコール秋田市の都市計画マスタープランとして策定したものです。ここに書かれていますように、コンパクトで成熟した市街地の形成ということで、この第5次の計画をつくっておりますが、平成3年には第4次の総合計画というものをつくっております。その計画の将来人口が 40 万人構想ということで、市街地の外側、郊外部に、新たな人口を受け入れるために、新規市街地候補地というのを定めておりました。その新規市街地候補地に限って、民間の開発事業者がそこで団地を造りたいといったときには、開発行為の許可をして、団地を開発させる、ということをやっていました。結局その団地が多く開発され、 14000 人ほど住めるほどの 宅地が確保 されていますが、5次の計画をつくったときに、4次の 40 万人の人口を見直しまして、平成 32 年に人口 33 万人のフレームを設定しています。いま秋田市の人口が 31 万 8000 人ですので、あと僅かですが、逆に言えば、あと 1 万 4000 人くらい受け入れる受け皿があるので、基本的に市街化区域を広げない方向に転換しましょうという方針を掲げています。
秋田市の考え方はここに書いてあるように、都市機能1、2、3ということで、秋田市を中央地域、あとは東西南北の5つの地域に考えています。この5つの地域に、それぞれ中心地を定め、そこに必要な施設を集積させていくというようなことで、都市機能1、2、3のように、これが重なりあって、一番下にあるようにそれぞれの地域が連携され、コンパクトで成熟した市街地の形成が図られるということを目指してつくったものです。これが平成 13 年 3 月にできました。策定に当たっては地域ごとの懇談会もやっています。参加する方々を公募しましたが、なかなか一般の方々が集まらないため、町内会長さんに、参加して欲しいとお願いしてやったのですが、結局町内会長さんを通すと年配の方々が出てくるため、ここに書かれているようにもう人口が増えないということは、もうみなさん分かっていますし、すでに郊外部に団地が整備されていることも分かっているので、市街化区域を広げないということは、皆さんだいたい納得されています。
ところが、最近郊外にバイパスとして市街化調整区域の中に幹線道路が出来、幹線道路と市街化区域の境目の新規市街地候補地に団地を認めたこともありまして、その人たちの利便性も確保するために、市街化区域に入れて欲しいという要望が出てきています。ですから、基本的に市街化区域は広げないよと言いつつ、そういう方向なんだろうなということで、あまり反対はありませんでしたが、大きな基本方針は分かるけれど、産業経済政策、そういった観点もあるんじゃないか、ある程度は都市的土地利用を認められないのかというような話がいま起きています。特に農地については、基盤整備のための補助金とか入れていますが、その割に田んぼからそれほど収益が上がらない、それよりはむしろ宅地にして実際商業者が事業展開したいという方もおります。農家はかなり高齢化していますし、後継者不足、それから幹線道路で交通量も増えるので、農作業にも危ないような状況ですので、そういう話も出ており、全体としてコンパクトであるのはいいけども、ある程度のところはどうにか広げられないのかという話もあって、それにどう対応するかというのが、秋田市の都市計画としての課題になっています。
それからニュータウンの話ですが、秋田市も確かに御所野ニュータウンということで、秋田市の市街地から約 8 キロの所に地域振興整備公団が 480ha ほどのニュータウンをつくり、その中心部に 10ha ほどのタウンセンターがあるのですが、そこにイオンがショッピングセンターを出しております。ニュータウンや秋田市だけではなく、そうとう広く人を集めている状況で、秋田市の中央街区もかなり空洞化しております。平成に入った頃から、中央街区のお店が郊外に移り始めていますが、平成 5 年にイオンが御所野ニュータウンに出店したことによって、一気に進んだような状況もあるということになっております。
それからひとつ、いま住んでいる皆さんに、コンパクトシティはこれから必要だということを感じてもらうために、できれば勉強会的なものもやりたいと思っておりますので、もしこの中で一般のかた向けに勉強をやっていらっしゃるところがあれば、お知らせ頂きたいなと思います。 |