東北地方の地方都市における「コンパクトシティ」とは何か/「コンパクトシティ」実現に向けた方策は、どんなものか
北原先生

わたしもそう思います。外から来たマンション業者がつくった居住空間がコミュニティになるか、その辺りも含めてコミュニティの問題は議論すべきだと思いますが。ありがとうございます。

では、郡山市さんの状況についてお話頂けるでしょうか。
郡山市

郡山市につきましては、行政の方も市民の方も、コンパクトシティについて、あまり理解がないように思っております。昨日、市の都市計画審議会あり、その中で、区域マスタープランの審議を行なったのですが、郡山の場合、調整区域との境の開発動向がかなり強いため、どうして市街化区域の拡大が出来ないのか、人口が減るという問題もあるかもしれませんが、地方都市で生きるためには、柔軟なものが必要なのではないかという話が議論で出ました。それをあながち否定出来ない部分もあるのかなと思います。

それから、郡山市は都市計画区域が 270 平方キロほどあるのですが、その内 68 平方キロが市街化区域で、 900ha が中心市街地活性化の区域になっています。その中で、 900ha 部分の人口が平成 12 年頃から下げ止まりになり、少しずつ伸びている傾向にありますが、 73ha ほどある重点地区は逆に減ってきています。しかし、その周辺部はマンションがかなり建ってきたため、下げ止まりから上昇傾向に少しあります。ただ、それがどこまで続くか、どうなるかについては、なんとも言えない部分があります。

そして、 68 平方キロの市街化区域の中で、都市計画的立場から言えば、都市的土地利用がされていない区域が 10 平方キロ以上あり、そういう面ではいろいろと問題があります。

それから、昨日の審議会の中で調整区域の建築形態等を、容積率 200 %、建蔽率を 60 %ととして審議会に諮りました。その中で議論になったのが、調整区域内の建築形態についても、柔軟な考えを議論すべきではないかということです。厳しくするならもっと厳しく、柔軟にするなら柔軟に、そういう議論をなぜもっと広くやらないのか、それは何故かと言いますと、平成 12 年にマスタープランをつくったのですが、市長からマスタープランに対して、息づかいが感じられないと言われました。住民と懇談会はしてきましたが、住民との気持ちが必ずしも一致していなかったためだと思います。やはりマスタープランは重要な方針ですが、マスタープランをより生きた計画とするために住民の方々と議論していかないと、結果的にコミュニティやまちづくり、コンパクトシティなどが出来ないのかなと思います。

北原先生

はい、ありがとうございました。

中心市街地活性化区域の面積が 900ha ということ自体が、コンパクトシティなのかどうかという話もありますが、ただそういうところでコンパクトシティの議論をしていくというときにキーワードになるのが、生きているまち、息づかいのあるまち、福島市さんのおっしゃった身の丈のまち、そういう言葉が本当は分かりやすい表現で、必要なのかなと思いました。

では、いま合併などで進んでいるところよりは、ある意味でリアルな話で参考になると思うのですが、いわき市さんのコンパクトなまちづくりの考え方等について、少しお話お願いします。


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