「杜の都のまちなか自転車プラン(案)の概要」
仙台市では現在、杜の都のまちなか自転車プランという自転車に関する計画を年度内の策定を目指して現在作業をしているところです。計画策定の趣旨ですけれども自転車はご存知のとおり都市内交通手段として非常に優れています。しかし、実際には、交通機関としての位置づけが他の交通機関に比べて明確にされていないということ、それから様々な課題があるということから、これについては相互的な計画を立てて施策を一貫的にやっていく必要があるのではないかということでこの計画を策定するとなっています。課題については、主に2つの課題があると考えています。
一つは走行に関する安全性の問題です。これは自転車が関連する交通事故で統計から取ったものですけれども、右肩上がりで非常に増えています。
二つ目は、路上放置の問題です。これについては、仙台市の全体での路上放置は非常に年々減っています。比較的駐輪場の整備が進んできたので減ってきていますが、都心部では市全体の路上放置が5400台、その中で都心部に5000台が集中している状況です。
このような課題がありますので、我々としては自転車利用の基本計画を立てるにあたって、どういった方向でいこうかと考えた時に、自転車利用環境整備に関する基本方針を立てて、自転車をいつでも誰でも安全に快適に楽しく利用できる環境づくりを目標にしていきたいと、「安全で快適な道路空間の形成」、それから「路上放置の削減と利便性の高い駐輪空間の創出」、それから「協働によるルール・マナーの意識づくり」、それから「楽しく自転車が利用できる環境づくり」、この4つを、施策として進めていきたいと考えています。最終的な目標は、この基本方針に沿って目指していくわけですが、まだ大きな課題があり解決しなくてはならないことから、まず当面10年間の期限を設定して、走行、それから路上放置に対して、集中的に取り組んで解決を目指すということです。具体的な取り組みについては走行環境と路上放置に関して取り組んでいこうと考えています。
今回は歩道の安全性を中心に話をします。走行環境の取り組みは、ハードとソフトがそれぞれあります。
まずハード面についてです。今、仙台河川国道事務所からの話もあったとおり、やはり歩道での安全性確保の為に、自転車と歩行者の空間の明確化が必要です。これはアンケート結果からも実態調査からも出ています。またソフト面では利用者の意識の向上、これは重要になるのですけれども、そのハード面の取り組みとして、まずその重点路線の設定を行いたいと考えました。仙台市の今回の計画ですが、都心部をターゲットとして、この都心部の主要な道路において自転車が安全、安心に通れる道路にします。その結果、歩行者も安全になります。下の図4のように赤で書かれたところが重点路線で、自転車と歩行者の空間を明確化して安全を図り、青で書かれている路線は、ゆっくり走行路線ということで自転車と歩行者の空間を明確化するのが非常に難しい、つまり歩行者の交通が非常に多いとか、歩行空間が狭いということで難しいのですけれども、自転車と歩行者の安全性を図るために何らかの施策をしていくことを考えています。そして重点路線の考え方ですけれども、まずはネットワーク上必要な路線、例えば都心部の公共駐輪場に行くまでのルートや、都心部の回遊性を考えて、まずネットワーク上必要であると。それからもう一つは、実質上、10年間でやらなくてはいけないということで新たに用地を買収して自転車専用レーンをつくるというのは、現実問題として難しいことから既存空間ということで、おおむね歩行空間が4m程度以上あるような道路について重点路線として設定しています。4mをどうしても取れないところで、ネットワーク上どうしても必要な路線についてはゆっくり走行路線というように設定しています。そしてこの重点路線をどのように整備をするのかというと、主要な例としては視覚的な明確化、つまり、色分けや区画線によって歩行者空間と自転車空間を分け、標識をつけることによって自転車走行区間と歩行者との分け方をしたいと考えています。今、河川国道でやっているような物理的な分断ができる区間がない、つまり、東二番丁の歩道は9mくらいですが、他にそれほどの歩道があるような区間が仙台市にはありませんので、実質的には視覚的な明確化をしていきたいと考えています。
もう一つ、ソフト面の取り組みとして、今後も走行ルールとかマナーの啓発化、教育を効果的に実施していきたいと考えています。場合によっては罰則をも視野に入れたことを考えなくてはならないと。実効性のあることを考えていきたいと思いますが、特に実効性のある駐輪については簡単に公共駐輪場の整備という考え方から、今後民間の駐輪スペースの確保を中心に考えていきたいということで、その取り組みを今後制度化または指導によって行っていきたいと考えています。最後に6ページになりますけれども現在、まだ案の段階で、市民からの意見募集で昨年の12月1日から平成18年1月10日まで、意見募集をしていました。これには、ホームページの掲載や市役所や区役所での配布をおこなっていたけれども、募集期間が終わって意見件数が27件ありました。
さまざまな意見がありまして自転車に対して熱意のある方、お考え方を持っている方が非常に多かったです。現在意見について整理をしているところです。現在、案の段階ですが、まちなか自転車プランの概要版ということでホームページに掲載していまして、現在の意見募集は終わりましたが、まだ掲載していますのでご覧いただきたい方は仙台市のホームページで見ることができます。今後のスケジュールについては、これから市民意見の反映などをしまして年度内にこの計画を策定、市民の皆さんに公表したいと考えています。以上でございます。 |