意見交換会:「都市交通・公共交通について」
北原先生

はい、ありがとうございました。前半はパークアンドバスライドというお話で、後半は「おはようバス」と「相乗りタクシー」という地域内での新しい仕組みで、無料で実験したというお話です。簡単な質問等で結構です状況とかお聞きになりたいこと、あるいは自分の地域でのこういった取り組みがあるかといったことについて、どうでしょうか?

郡山市

福島県の郡山市ですが、郡山市でも今タクシーの社会実験をしているところです。タクシーの運転手のモラルに対してどのようなルールをつくっていくか大変難しいところです。先程の話の中で、継続運行を業者が自ら継続したというのはどういう背景があるのでしょうか。

いわき市

試験運行につきましては、基本的には趣旨に賛同というのが大義名分ということでした。やはり利用状況がこの程度ですから、採算性があるということで動き出したものではありません。タクシー事業者と市で構成されるタクシー協会があります。その中で、ある程度営業エリアが決められていますが、新しい試みとして営業域を超えたタクシー会社の介入を恐れたのかと思われる点もあります。

もうひとつは、運転手さんのモラルということです。運転手さんは歩合制でお給料をもらっています。この方々をなんとか守らなくてはいけないとそれぞれの事業主さんは言っていました。その時にやっぱり今のやり方ではタクシーが無用になってしまう、タクシーそのものをなんとかどこかに繋がる芽をもちたい。そして、せっかくできた地域とのつながりを断ちたくないという心情を聞いています。ですから今のところはこの3ヶ月間だけですが、赤字覚悟でやるということで運行を始めました。

北原先生

他にご質問とかご意見はございますか?僕のほうで聞きたいのですが、僕は移動する時に相乗りタクシーをよく使います。これが流行っているのですね、それは何かというと乗るところ又は降りるところが固定なのです。弘前の各地から青森空港までという相乗りタクシーが、現在ぼろ儲けしているのです。だからタクシー会社に家から電話して割りと近いエリアの人たちが集まって、9人まで乗れる大きいジャンボタクシーを使い、そして採算合うルートを最短の距離で考えて運行しております。それに行き先は決まっているので混乱しません。また、空港に降りますと相乗りタクシーが待っております。事前に予約をし、よく知らない人たちと乗っていくわけです。運が悪いと最後に降ろされ時間がかかるのですが、運がいいと誰もいないで一人で乗ったりする時もあるのです。ただ、相乗りタクシーみたいなものをシステム化して持続化させると、つまり、乗るほうと降りるほうの部分が全部ランダムにすると全部よく分からない人たちを集めて全部電話で手配していくのは、今回の実験ですけれども誰がそのシステムを電話が来た時にどういう周りをしていくことを今回は実験の場合どこがやるのかとお聞きしたいところです。これは今回すごく難しいし、持続させていくのはタクシー会社では東京では羽田空港までの相乗りタクシーもやっていますけど、誰がどう関わってこれをやったのかを少しお聞きしたいのです。

いわき市

このお渡しした資料の後ろの部分、エリア図が入っているところがあります。最大で4kmくらいの区間があり、上り下りだけは決めました。右上に草木台という地区があります。左の湯本駅地域に向かうのを上り、帰りは下りです。ルートはタクシーのオペレーターの方の指示でした。オペレーターの方がこことここを回るのならこういったほうが良いという指示を出したわけですが、そもそも運転手も当該地区を運行エリアとする方なので、一番よいルートを瞬時に自分たちで思い描けたというのも一つあります。  

それから小さな地域の中なのでできた感じがあります。

また、最大四人しか乗れないという状況で、運行エリア内の所要時間は最大でも20分位であり、それも功を奏してか、不平不満の声は聞こえませんでした。
北原先生

はい。わかりました。僕の勘違いで相乗りタクシーと言っていますが、循環タクシーということですね。

いわき市 そうですね、循環タクシーですね。
北原先生

タクシーの感じから見ると自分の家まで来るというようなもの、やっぱり特にお年寄りは乗られると思うし、またディサービスも色々なサービスをしているし、僕にはやはり地方に必須なのは小口まで行けるのが重要だと思うのです。解かりました。いわき市に鈴木先生が色々と関わっていたと聞いておりますが、今回の社会実験について一応コメントをいただきたいと思います。

鈴木先生

社会実験はあまり知らなかったのですが、先程バス交通にする支援制度が打ち切られたとありましたが、今でも続いているのは市町村をまたいでいる地域なわけです。いわき市は壮大な合併をした地域で、こうした地域での交通システムのあり方についてあらためて大きな課題を感じています。いわき市は広範な市街地が広がっていますが、同時に過疎地域もたくさんあり、過疎地域の交通手段をどう確保するかという問題があるわけです。だからこの問題はもう少し色々な角度から検討しなければならないと思います。そういう都市地域と農村地域を抱えているのは今日ご参集の皆さんのほとんどの地域の姿です。地方都市というのは市街地だけではなくて、周辺に農村地域を抱えていることに地方都市のひとつの特徴があるのでそこをどう繋ぐかというシステムとして工夫をしていくことが必要だと思いました。

北原先生

ありがとうございました。前にコンパクトシティの話をしている時に、いわき市でコンパクトシティの話をすること自体に意味があるのかという方が前にいました。コンパクトシティというのは縮まった形をしてしまうから、みんなそう考えてしまうという考え方の問題です。いわき市でコンパクトシティを語ることの重要さをもっております。つまり大きな都市で副都心をつくり、多極化分散化をする話ではなく、合併したまち、例えば宮城県で言えば栗原で、大きな町が合併し、コアが一個ではないところで、コンパクトシティの議論をどう成り立たせるのか、同心円状の世界ではなくて、色々な極を持ちながらそのコアとコアをどう繋げるのかが重要なのです。仙台と違って、今日ここに来る時に、東北地方整備局から、今回長町でやります。題材としてパークアンドライドをやるので、わざわざここに場所を借りたのだと言うことです。いつも仙台駅で降りるとすぐ行けたものをわざわざ長町でするのだろうと思いました。今日はパークアンドライドの話やバスの公共交通の話をするということで、良く考えるなと思いました。しかし、タクシー券を送りましょうかといわれたので地下鉄で行きますと話をしました。ここでタクシーに乗ったのでは今日ここでやる意味がないと思いまして、地下鉄で来たのですが、公共交通は先程のパークアンドバスライドの結果を見ますと、乗っていこうと思う人が開拓できない。市民の方々はこの実験に対してどんなことを言っていましたか?それを最後にお聞きしたいのです。特にバスアンドライドについて、モニターではなく、その地域の関心はどうでしたか。

いわき市

地域としましては、パークアンドライドへの関心は非常に低い状況でした。やはりマイカーを手放したくない方ばかりで。ひとつだけ効果があったのはアナウンス効果として、ある事業所が、従業員の駐車場がなくなって困っており、合わせて環境面への貢献を考慮し、パークアンドバスライドを是非やってみたいという声があがりました。

北原先生

はい。ありがとうございました。ではいわき市の発表をこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。

では続きまして資料の3にあります。次は、福島市のほうから循環バスの事例についてご紹介をしていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。


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