意見交換会:「まちなか居住ついて」
北原先生

ありがとうございます。皆さんご存知の通り、青森市の場合は、長期総合計画でコンパクトシティということをずいぶん前から掲げていて、全体的にコンパクトにしていくことを、上の計画と整合性が取れた進み方をしていますので、次々と動いているということが分かると思います。バリアフリー計画においては、まちなかに住んでいるのに高齢者が歩けないという話がありましたが、まちなかのバリアフリーにかなりこだわったエリア設定をしており、青森市らしいと思いました。

では、今からにどのようにまちなか居住施策に取り組んでいるのか、あるいはどう位置づけているかを、簡単にコメントして頂きたいと思います。

八戸市お願いします。

八戸市

当市のまちなか居住に対する施策ということですが、当市に来られる方には、まだ八戸市の中心市街地は地方都市の中では良い方だと言われるのですが、中心市街地の商業者の方々が言うには、いつ潰れてもおかしくない、なんとか店を開けている状態とのことです。

市といたしましても、商工会議所と連携して都心地区再生プロジェクト事業を進めているところです。

その中の施策の一つにまちなか居住の推進ということで、現在まちづくり交付金を利用した優良建築物等整備事業を平成17年度から始めようとしています。ですが、当市の状況は郊外開発圧力が意外と強く、また青森市や盛岡市のようにマンションの需要が高くありません。郊外一戸建て住宅の需要の方が高く、業者の話によれば中心市街地にマンションを作ったとしても、完売することがかなり難しいとのことでした。3年ほど前に中心市街地の周辺にマンションが1軒建ったのですが、かなりダンピングして完売させた経緯があるようです。まちなか居住を推進して中心市街地にまず住み続けてもらえればいいなと思っているのですが、なかなか類似他都市のようにマンションは建ちません。

また、まちなか居住を進めていく上で、都市政策課としてはハード部門を担当しているのですが、ハードにソフトがついてくるというのはなかなかないと思いますし、どちらかと言うと文化的な要素に人や物が集まってくるという考え方の方が自然ではないかと思っています。

北原先生

まちなかに誘導されている借上公営住宅のような施策は、まだやられていないのでしょうか。

八戸市

借上公営住宅が出来るように、今年度市営住宅条例の改正をしています。仮にまちなかに借上公営住宅を誘導していく際には、先ほど説明があったように、住宅部門と一緒になって計画をつくっていかなくてはならないのかなと考えています。

北原先生

はい、ありがとうございました。

次は盛岡市お願いします。

盛岡市

平成13年に都市計画マスタープランを策定しましたが、地域別構想ということで、各地域について順次充実を図っているところです。その中で、平成16年度、中心地域でワークショップを開いて、まちづくりの方向性を地元の方々と話し合っていました。これは17年度も続くのですが、やはりまちなか居住を是非進めていきたい、このまちに住んでいきたという思いが強く出ていました。方針自体は来年度になりますが、まちなか居住は都市計画マスタープランの中で位置づけられると思います。その具体的な方策はまだ明確なものは無いので、今後研究を図っていきたいというのが実態です。ワークショップの意見の中で、中心地域から人が減ってきている中で、若い人がいない、高齢者ばかりが住んでいるため、若い人たちが戻ってこられるようなまちにしたいということを強く訴えかけられたというのがあります。それと、やはりマンションがすごく目立って増えてきています。昔から住んでいる人は、マンションに対してアレルギーみたいなものがあって、景観の面やコミュニティ、町内会などの活動にマンションの人は参加してくれないという課題が大きく出されています。そういったものも解決していく方向性を都市計画として、施策を研究していきたいと思います。


前へ 次へ プログラムへ