意見交換会:「まちなか居住ついて」
北原先生

どうもありがとうございました。
先ほど野嶋先生のお話の中にもありました、まちなかの文化や福祉の融合をまさにやろうとしている内容だったと思います。
それでは次に福島県の方からお話しお願いします。

福島県

福島県では、中心市街地再生のまちづくりということで、国土交通省のアドバイザリー会議というものが、3月7日に行われました。その中で福島県の取り組みについて紹介しております。その内容について、簡単に説明させて頂きます。

ひとつは中心市街地再生に向けた事業ということで、集う、商う、住まうという3つの視点から事業分類化をし、進めていくというものです。ただ、その中で街なか再生三事業というものを新たに設けております。具体的には施設補助、税制、融資の3点セットで構築した商工労働部サイドの補填事業です。

街なか再生三事業の中には、まちなか集積促進事業というものを設けております。これは例としましては、福島市内の地元の大学が中心市街地の大型空き店舗を改装して、平成18年4月から駅前キャンパスを改装するということになっています。その中の施設補助として出している制度でございます。また、税制につきましては、中心市街地の税負担を一時的に軽減することにより、店舗の新規立地を呼びかけるために、市町村が固定資産税を減税した場合の、減収分の一部を県が補填するという制度を設けて、市街地の商店の立地を促進している制度が商工サイドの中で行われています。

2点目については、大型店の立地に際して、県が市町村の枠を超えた広域的な立地調整を行う条例の整備を進めていくという、本県の初めての事例になっておりまして、これは題名が「福島県良好な小売商業機能が確保された誰もが暮らしやすいまちづくりの推進に関する条例(仮称)」です。その条例の概要を現在パブリックコメントにかけており、3月4日〜4月4日までの期間実施しています。担当サイドとしましては、商業まちづくりというのが商工サイドにありまして、そこが中心になって県庁内のチームで内容をつめている状況です。目的としましては、『近年、モータリゼーションの急速な進展やバイパスをはじめとする道路網の整備等に伴い、学校や病院等の公共施設の郊外移転、大型店の郊外展開や、郊外での大規模な住宅開発が進み、まちの機能が郊外へ拡散する一方で、「まちの顔」ともいうべき中心市街地は、居住人口の減少、商業活動の衰退等により、空洞化の一途をたどっています。』ということと、『環境負荷が少なく、自然と共生し、誰もが安全に安心して暮らせる持続可能なまちづくりを進めていくことが求められています。』、あとはコンパクトなまちづくりが求められている中で、『このような問題意識に基づき、県では、平成15年7月に福島大学の鈴木先生を会長とした外部の有識者等による「福島県広域まちづくり検討会」を設置し、複数の市町村を商圏とする大型店の問題を取り上げて、その出店について、県が広域的な観点からどのような調整を行うべきかを中心に検討を行い、平成16年3月に「広域的なまちづくりのあり方に関する提言」を提出していただきました。』という状況で、それを条例で実施していこうとしている状況です。その条例の詳細部分をまだパブリックコメントで出せる状況ではなくて、概要のかたちでパブリックコメントをしている状況になっています。条例に盛り込むべき事項としまして、前文では、小売業が県民日常生活に直結する必要不可欠な機能である。やはり中心市街地で商業が無くなれば、お年寄り等が住めなくなるという現状がある。次に本県ではユニバーサルデザインの考えに基づき、誰もが安心して快適に暮らせるまちづくりを推進してきていると。中心市街地における集積の低下や地域の商店街の衰退が進む一方で、大規模な小売商業施設が郊外に相次いで立地することにより、車を運転できないと日常生活に支障を来たす地域が増えているなど、誰もが暮らしやすいまちづくりを実現する上で大きな課題となっている。具体的には福島市内の大型店7店がありますが、1店を除いてほとんど全滅している状況にあります。つい最近も大型店が閉店したという話もあります。そういう中で、郊外の大型店を中心とした住宅開発を行うことで、市街地が衰退している状況が歴然としている状況があります。第2の目的としましては、良好な商業機能が確保される条例を制定することで、中心市街地の活性化に繋げていきたいということを条例で定めていくことです。第3の定義としましては、その中で一番対象になるものは何かという話になってきます。4番の特定小売商業施設というものが一番対象となって参ります。その中で、小売商業施設内の店舗面積の合計が一定面積(15,000 uを想定)以上のものが対象になることを位置づけています。第4案、県の責務がありますが、内容的には当たり前のこととなっています。具体的に大きなものは、第5で、良好な小売商業機能の確保の推進に関する施策としまして、小売商業機能確保基本方針等というものを県が定めることです。この基本方針を定めた中で、市町村の規模の大小に関わらず、地域に必要な小売商業機能の確保に関する土地利用規制を含めた総合的な基本構想を市町村が定め、それに取り組む各種事業に関して県としては必要な支援を実施していきますというような内容が1番の中では書いてあります。次に2番に書いてあります特定小売商業施設の立地に関する広域の見地からの調整ということで、概要を述べますと、県が策定する基本方針に基づき、特定小売商業施設(店舗面積15,000u以上)を対象としていますが、立地については、県が関係する市町村や住民等の意見を聞いた上で、広域的な見地から調整を図るというような内容になっています。次に3番目の地域貢献活動ですが、概要を述べますと、小売商業施設に対して地域貢献活動に関する計画や、実施状況に関する報告を求め、その内容を公表することにより、事業者の地域貢献活動を促進し、地域との共栄を推進するという内容です。大型店の地域との関わりが、立地して撤退したときに、その地域の活動まで破壊してしまうのではないかという危惧があります。そのため、地域貢献と言うことを前面に出したいと、そして撤退したときの対策もこの中で考えていくような方向性を入れています。6番は審議会を設けるということ、7番は罰則規定ということも考えていきたいと。こういう内容を法律の専門家と調整しながら、最後の条例の条項を細かく検討というところです。まだそこまで出せる状況ではなかったものですから、概要について広く意見を頂くという手続きに入っています。こういう大規模小売店舗の規制等を前面に出して動いているのは、全国で初めてのことで、知事が積極的に誘導を図りたいということがありまして、いま動いている状況です。

以上でございます。


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