中心市街地再生に向けた取り組みについて
北原先生

はい、ありがとうございました。先月郡山に行った時に、中町の夢通りでオープンカフェをされていましたが、盛岡市さんと同じ国交省の社会実験の事業でしょうか。

郡山市

はい、そうです。これは 10月末に中町夢通りのオープンカフェ、駅前シンボルロードでのタクシーベイ、それから駅前広場に50台くらいのタクシープールがあるのですが、50台の駐車スペースに対して市で許可を出しているのが600台になります。今までは周辺でタクシーが消化されていたのですが、現実としてはタクシープールから駅前大町線に沿いまして、この突き当たりまで500mあり、一番後に並ぶと客を乗せるのに1時間かかるそうです。駅前大通り片側3車線で整備したところ、1車線が違法駐車で取られたということで。警察に何度も苦情を出していますが、それは行政の方でということで皆さんおよび腰ですので、今後規制等も検討しています。

北原先生

はい、ありがとうございます。では、最後にいわき市さん、よろしくお願いします。

いわき市

皆さんご存知だと思いますが、いわき市は昭和 41年に14市町村が合併しまして、非常に広い地域を持った都市です。そのため、中心市街地についても合併前の小名浜、勿来など旧5市に点在して市街地があります。いずれの地区においても商業の衰退が著しいのですが、いわきでは各地区の特色を活かしながら、それぞれの地区で違った取り組みがされています。いわき市でも平成11年に中心市街地まちづくり基本計画というのをつくりまして、いわき市の中心であるいわき駅については、現在は組合施行の再開発事業が進められています。再開発ビルには商業施設が入居しますが、その他に総合型図書館や産業交流プラザ、市民サービスセンターなどの公共施設の入居も予定されています。また、商工会議所の入居も予定がされています。その再開発と合わせて、駅前広場の整備や自由通路の整備も一体的に行う計画です。

今日ご紹介するのは、本市の中心駅と位置づけられているいわき駅ではなく、湯本駅周辺のまちづくりについてお話しさせて頂きます。常磐地区は、スパリゾートで知られています。湯本地区は常磐炭田の中心地として石炭産業とともに発展しており、市街地は温泉街と商店街が融合するようなかたちで市街地が形成されています。これまで活性化に向けた取り組みとして、市としては駅前広場の整備や駐車場の整備、さらにこの写真にも出ていますが電線類地中化に合わせたコミュニティ道路の整備等を行って参りました。しかしこういったハード整備では活性化には結びついておりません。駅前の一画にあった大型店舗が撤退し、更地化されたままになっています。日常的な賑わいはなかなか戻ってはいませんが、湯本地区についてはまちづくりに関わる団体があります。湯本温泉観光組合、温泉旅館組合、商店街、まちづくり団体、様々な団体が連携し、知恵を絞って取り組んでいるところです。実は湯本地区にはいろいろ歴史があり、豊富な湯量でも誇っていますが、一時温泉が枯渇したことがありました。そのとき、元気だった商店街の人たちが湯本のまちづくりを支えてきたという歴史があります。今は商業等が空洞化し、非常に元気のない商店街になっていますが、その分元気のある旅館やホテル関係の方々が中心となってまちづくりを支えているという状況です。それから団体だけではなく、様々な職業を持った方が主体となってまちづくり市民会議というのも設立し、様々なソフトのまちづくりを行っています。温泉街ですので、温泉を活かしたまちづくりを進めていこうと、スライドにありますように、駅前広場の一画に温泉モニュメントを温泉組合が主体となって設置し、屋根付で足湯が楽しめるような施設に改善していこうという動きもあります。

次のスライドです。これは旅館と商店街の一画にあります日帰りの温泉保養所「さはこの湯」です。料金が安く、ホテルに宿泊された方も日帰り温泉を利用されています。当然周辺に居住される方々、また広くからさはこの湯においで頂いて賑わいに繋がっているところです。

次のスライドです。また空き店舗を活用して、ゆもと上町ホットひろばということで一階部分に足湯を整備し、空店舗の中にはコミュニティスペースを設けるなどして、地域のふれあいの場になっています。このように温泉を活かしたまちづくりとして、これらの施設の有効活用を図ろうと、湯本温泉夏祭りや湯の町学園祭などのイベントと合わせて、施設を利用し押し花教室や温泉寄せ、演劇鑑賞会などが行われています。また、足湯やホテルのお風呂を利用して、温泉ラリーも行われています。このようなイベントが年間を通じて行われており、多くの観光客、あるいは地域住民の方が訪れて交流人口の拡大にも若干繋がっているのかなと思っております。また、さらに足湯を設置していこうという取り組みも行われています。

湯本の市街地には湯本川が流れておりまして、市街地の河川整備と併せて設置される調整地の多目的利用なども市民主導で検討されています。また、湯本市街地に隣接した斜面では、急傾斜対策事業をしているので、それと併せて、まちづくり、景観づくりに活かそうという取り組みも、先程説明しました市民会議のネットワークを活かして地域主導で行われているところです。賑わい復活というのはまだまだかなと思いますが、地域の方々やいろいろな団体、さらに、市民ひとりひとりが一緒にがんばっています。このような取り組みが継続して行われることによって、徐々に賑わいに繋がって行くのかなと思います。湯本市街地については、大型店舗が撤退したあと商業の活性化という視点でのまちづくりは望めない地区ですので、温泉を活かし、地域住民、温泉に訪れる方々にも親しまれる、賑わいが創出されるようなまちづくりを地域主導で進めています。また、いわき市ではバス路線廃止の問題が出ています。4分の1 (41路線)の廃止が事業者の方から申し出があり、湯本地区でも循環バスが運行されており、路線廃止の対象となっていまして、いわき市としては中心市街地活性化と併せてバス路線の維持などについても検討しているところですが、なかなか結論が出ていません。市が補助金を出すか住民が負担する、あるいは民間バスの代替交通をどのように確保していくかを検討しているところです。

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