本日は、石巻のマンガによる中心市街地活性化による取り組みをご紹介致します。石巻の中心市街地活性化のあゆみですが、平成8年から9年の間に石巻マンガランド基本構想策定しました。平成 10年に石ノ森先生がいらっしゃいまして、石巻市長と会談致しまして、石ノ森萬画館を建設することで合意しています。平成10年から11年にかけまして石巻市中心市街地活性化基本計画を策定しています。平成11年に民間によります「マンガランド構想を広げる会」が発足致し、会員1500名で同盟会をつくっています。平成12年から13年にかけまして、石ノ森萬画館の建設を行い、平成13年2月にはTMOである株式会社まちづくりまんぼうを設立しています。
次のスライドです。TMO組織の中では、イベント事業、空き店舗事業、商業活性化事業が行われています。何点か挙げてありますが、1番は石ノ森萬画館の管理・運営です。それから4番目の『がんばれ5町!こども夢ひろば』は、昨年あった地震に関係した5町に住む子どもたちを呼んで、元気づけたイベントです。それから最後の「まんぼう会員事業」会員 130店につきましては、商工会議所の組織のようなものをつくりまして、まんぼう会員の方々にイベントの協力などを求めるというものです。
次のスライドです。共通駐車券の販売事業ですが、市内の 26の駐車場の精算機をまんぼうがソフトを買い、全て統一し、どこのパーキングでも同じ割引券が使える状態にしました。それを一括してまんぼうが販売して、事業の一環としています。このシステムは日本にはないということで、初の試みとして注目を集めています。
次のスライドです。中心商店街活性化事業・イベント事業成功事例として、中心商店街の連携、ストリートフェスティバルを行いました。空き店舗を利用してフリーマーケットを行うわけですが、1箇所に集めないで、ところどころに会場を設置し、人の回遊を促しているのが特徴です。
次のスライドです。萬画館の建設コンセプトが中心市街地の活性化ですので、郊外型の博物館と違って駐車場をつくらず、駐車場については民間の駐車場を使ってもらう、またはなるべく電車等を使って頂きたい、なるべく回遊してほしいということで、駅から萬画館までマンガロードというのをつくりました。施設の中で約 14箇所モニュメントを用意しまして、モニュメントを見て頂きながら萬画館へ行くというものです。
次のスライドです。今説明した石ノ森先生の作品のモニュメント 14体をまちに散らばせまして、駅から歩いてモニュメントを見ながら萬画館へ移動するというものです。まんぼうでやったスタンプラリーがあり、石巻駅前でスタンプラリーの手帳を渡しまして、市内各地を回ってもらって、萬画館へ着くというような事業です。
次のスライドです。ファザード整備・空き店舗事業ということで、空き店舗が多く、石巻の代名詞でしたシャッター街の解消につきまして、まんぼうが補助を出し、萬画館ができる前は全部シャッターが閉まっていましたが、現在全ての店舗が埋まっておりまして、お土産屋さんなどが入っています。人通りもあり、前とは違う状況です。
次のスライドです。シャッター街で有名だった石巻ですが、そのシャッターを利用して何かできないかという事で、セミプロの漫画家の方を呼んで、スプレー缶でシャッターにマンガを書いてもらいました。
次のスライドです。石巻と仙台を結ぶ仙石線というのがあります。その列車をJRさんの方でマンガッタンライナーというものをつくり、電車前面と中も全てマンガを書きました。このようなイベントは、四国にアンパンマン列車がありますが、全部マンガというのはJRさんの方でもないということです。土日祝を1往復くらいで運行しまして、中のアナウンス等もロボコンの声で行っています。
次のスライドです。石巻で灯ろう祭りというのがあり、現在このお祭りは石巻の夏の風物詩として定着しています。これは住民参加型のイベントで、市内小中学校とPTAが5千人ほど参加しまして、夜中心部に集まってこの灯ろうを見るというものです。
次のページは子どもたちがつくった灯ろうを流しているところです。
次のページです。石巻のまちの状況ですが、萬画館ができる前は寂れた状況でしたが、いまはこのように春夏秋にかけてほぼ毎週のようにまんぼうなどが企画するイベントがあります。だんだん中心市街地の方にも人が集まっており、それを見て店舗の方も開けたりすることがあるため、シャッター街も若干改善しています。
次のページです。次は石巻の歴史の部分を回るという事で、ボランティアの方が同行して説明するような事業です。
次のページです。トリコローレ音楽祭は、仙台で行われているジャズフェスティバルの小さい版のようなもので、約 20バンドが集まりました。子どもたちやお年寄りが集まる行事はありますが若者が集まる行事がないということで、今年初めて行いました。雨が降りましたが盛況を得ています。石巻にも若者がいることが再発見できた状況です。
次のページです。次は石ノ森萬画館です。現在年間約 25万人が訪れています。経済産業省の商業サービス業集積関連施設整備補助事業を頂いて完成しました。現在のハコモノ行政に問題があると言われる中で、約5割を入場者収入でまかなっておりまして、春先に行われた総務省、通商産業省、国土交通省による評価の中で、中心市街地の補助金の活用が優秀であると評価を得られました。建物のコンセプトは、宇宙に向かって飛び立つという、石ノ森先生が生前書かれた宇宙船のイメージです。建物の特徴として、屋根が日本にはいままで無かった鉄板構造です。建築技術では難しいので、造船会社にお願いして、鉄板部分は全て造船技術でつくっています。
次のページです。石巻中心市街地活性化基本計画によりまして、水辺ゾーンに位置づけられています。石ノ森萬画館に合わせて、公園と水辺が一体となった整備を求めておりました。国土交通省と石巻市が一体となって水辺拠点の整備を図るため水辺プラザ事業を行っております。石畳と護岸施設がありまして、一体化した景観を保っていまして、市民にも好評です。
次のページです。次は萬画館を中心として、北上川を含めた「川は友達」ということで北上川フェアを開催しました。約1万人の人出があり、河川や流域に関するブースなどがあり、市民の憩いの場となっております。この写真を見て分かるように、萬画館は太平洋に向かって山から宇宙船が飛び立つように見えるよう設計しています。
次のページです。萬画館を開館して4年になりますが、今年の 11月に約90万人を迎えています。来年は100万人を目指しております。
次のページです。次は石巻のニューヒーローのシージェッターです。石ノ森先生の未発表作品を、今回協力頂きまして、石ノ森プロとまんぼうが著作権を持っています。宮城県の地場産業活動活性化補助金を頂いて行っていますが、シージェッターは北上川を汚すヘドロマンと戦うというコンセプトで、いま流行りの自然環境保護型のヒーローです。
次のページです。施設、イベントは通行量だけでは成功と言えませんが、場所によっては約4倍の通行量を確保できました。
次のページです。約 26億円の経済効果があったということで算出されています。石巻としてはハード面の整備はほぼ終わっており、小さな一歩ですがイベントの多さから中心市街地に人が戻ってきています。効果がでてきていますが人口の問題もありますので、これからもっと努力が必要だろうと思っています。以上です。 |