仙台市からは、一番町3丁目地区の地区計画によるまちづくりの取り組みについてご紹介させて頂きます。一番町3丁目地区に限らず、市内中心部の商業地におきまして、近年の自動車交通に依存した都市の拡大や郊外部への大型商業施設の進出などの影響を受け、実際にまちなかを歩く人の数が数字的にも減少しており、商業地区としての吸引力の低下が非常に懸念されてきている状況です。そのような中で、中心市街地の活性化という経済局の動きと併せて、賑わいや市民交流活動の中心であり続けられる独自のまちづくりに向けた検討を行っております。昭和 63年から、赤で囲まれた一番町3丁目地区の地域と行政が共同で行ってきた取り組みがようやくまとまり、魅力あるまちづくりのルールという事で地区計画の制度によって実現していこうと今年の6月に地区計画の決定を行っています。
一番町3丁目の区域は、北側が広瀬通で東側が東二番丁通です。南側が中央通りの一本北側の道路、西側が一番町通の一本西側の道路まで約 4.3haの区域になります。仙台の商店街は駅前からの中央通りと、それに直行する一番町通りというT字型のアーケード街で形成されています。一番町3丁目の区域はちょうど交差部の北側となります。
次のスライドです。地区計画におきまして、地元のまちづくり協議会が主体となって進めてきておりましたが、地元が大変熱意を持って取り組んでおりまして、まちづくり協議会自ら、まちづくりの目標を定め、それを地区計画の中でまちづくりの目標として取り入れました。
具体的にどういうルールづくりをしたかというと、都心商業地に相応しい賑わい、活気を求めていることから、具体的な土地利用の規制として建築物の用途として一階部分を一番重要視しており、住宅や事務所、倉庫といった用途を制限し、店舗などの集客施設を誘導しようとしています。この地区は他のところと比べてアーケードが 12.5mと高く、周囲の景観との調和を目指すために、建物の高さをアーケード以上につくって下さいという内容にしています。
地区計画は今の内容くらいしかなく、非常にシンプルな内容になっているのですが、決定時点まで地元の合意が得られた内容で決めさせて頂いておりますので、これだけで魅力あるまちづくりができるということには決してならないということは、地元も行政側も認識しておりまして、今後さらなる内容の拡充が必要だと考えています。その中で、既に、地元の動きとして、地区計画ではコントロールが難しい景観や色彩の調和について、まちづくり協議会が『まちなみイメージチェックシート』というものを独自に作成し、建物の広告物や美観、清潔感、材質、色合いなどについて所有者に自己評価をお願いし、その結果をまちづくり協議会に出してもらい、合格点に満たない場合には協議会が施主側に工夫するよう協力を求めていく、デザインコントロールをする取り組みをスタートさせたところです。
次のスライドです。ここの写真には見えていませんが、一番町3丁目地区では今月初めに有名ブランド店の出店や、この地区内の一部の街区で再開発事業に向けた動きが活発化するなど、ある程度成果が現われており、この地区をモデルケースとして周囲への波及効果を非常に期待しています。今後ともできれば周りの地区についても、それぞれの特徴を活かしたまちづくりルールということでの取り組みを応援していきたいと考えています。以上です。 |