中心市街地再生に向けた取り組みについて
北原先生

ありがとうございました。
今まさに都市再生という首相官邸、内閣のお金の調整費が、この1〜2年間ばらまかれている状況にあります。その中で八戸市の 10の施策を考えた中で、岡部さんの話に繋がりやすいテーマとして、特に地方都市の場合に商店街の道路拡幅や、それに伴うセットバックといった、まちづくり手法とはちょっと違うスタイルの「裏」とか「通り抜け」のようなものが脚光を浴びつつあって、八戸市でそのようなものに目を向かれているというあたりが、まちの集う都市空間というイメージとして、広場のまちではない日本においてどういうところをターゲットするかのモデルとしておもしろいのかなと思います。
その次は盛岡市さん、よろしくお願いします。

盛岡市

中心市街地活性化事業の事例紹介ということで、今年の 10月に行われた盛岡シネマタウン社会実験の概要についてご説明させて頂きます。これは国土交通省が行う社会実験の採択を受けまして、国から補助金を受けて行ったものです。事業主体はNPO法人が岩手NPOフォーラム21を中心と致しまして、県や市、様々な団体で構成された実行委員会によって行われました。期間は第1クールが10月2日〜10日、第2クールが10月23日〜31日までとなっております。前半は通しで行われましたオムニバスタウンサミットというのがありまして、後半はみちのく国際ミステリー映画祭の開催 に併せましてこれらの事業を実施しました。

事業内容は、「歩いて楽しむ街」として街の魅力を向上させるため、市中心部にある大通りの商店街をトランジットモール化致しまして、午前 11時から午後6時までの間、時間帯指定による一般車両の進入禁止としました。また、その時だけ小型ノンステップバスを運行し、そしてオープンカフェの実施や中心市街地へのサイクルライドの促進を実施して、その有効性を検証しようというものです。

次のスライドです。左上段が、普段の大通り商店街の風景です。一方通行になっておりますが、一日の交通量が約8千台〜1万台あります。その周りがトランジットモール化を行った時の写真ですが、交通量が減少致しましたので、自転車にやさしい道路空間になりました。その他、社会実験の開催日のみに盛岡駅と商店街を結ぶバスを運行し、概ね好評でしたが、このときタクシーの運行は良いということで通ったのですが、それについては賛否が分かれたという状況になっています。

次のスライドです。従来ある大通り商店街のパーキングスペースを利用して、駐輪スペースとした写真です。普段は歩道を浸食するように停められておりましたが、実験期間中はパーキングスペースに整然と駐輪されまして、歩道空間が確保されました。

次のスライドです。同じくパーキングスペースを活用しまして、オープンカフェやイベントスペースとした写真です。歩道との境界に花のプランターを設置し、市民にオブジェの展示などをお願いしまして、まちの賑わいの演出を図りました。また、交通量やアンケートの調査を同時に行いまして、今集計と分析作業を行っている最中です。検証結果につきましては、来年2月に開催予定のフォーラムにて発表の予定です。今後の展開に期待したいと思っています。
北原先生

ありがとうございました。

オープンカフェの実験の名前が盛岡シネマタウンとなっており、映画が絡んでいますが、この辺りはどういう背景があるのでしょうか。


盛岡市

実際に行った会場は大通りなのですが、それと並行して映画館通りというものがあります。この地区は明治にある実業家が、昔は城下町のさいげんがあった場所に開発事業をして商店街にしたところなのですが、その目玉として映画館を配置させました。全国的に見ても『映画館通り』という名前のついたところは珍しいのかなと思っています。


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