東北地方の地方都市における「コンパクトシティ」とは何か/「コンパクトシティ」実現に向けた方策は、どんなものか
北原先生

今の市町村合併の時代だからこそ、コンパクトシティという考えがあって、今都市はある種種同心円的な構造で、外に行けば行くほど薄くなっていって、そして調整区域があり区域外があると状況です。合併すると、中心拠点をいくつかもった都市がネットワーク体として実際のまちを形成していくことになります。だからそのひとつひとつがコンパクトなまちづくりをしていくことが必要なわけです。そういう意味で合併の時代だからこそコンパクトシティを議論しているという気もします。

いわき市はどう見てもコンパクトなまちではありませんが、コンパクトなまちづくりを続けていく資格はあると思いますし、やるべきだと思います。「コンパクトなまちづくり」と言うときに、この合併時代だからこそ、いくつかの中心点を複数持ったまちと交通網等のネットワークをリアルに考えていかないと、合併したときに、コンパクトシティと全然違うではないかという話が出てくるのではないかと私は思います。

福島県

先程の農村集落関係ですが、福島市を中心とした周辺のまち、いわゆる農村集落部の疲弊に対応しようとで、 34 条の 8 の 3 で条例を考えていこうと検討しております。母都市である福島市自体は条例をつくっていまして、周辺の町村については県が条例をつくる立場にあります。条例のエリア指定について県が考えていることは、例えば危険地帯をもつ集落や道路整備されていない地域で、面的に指定してしまうと開発が進み、新たな道路整備が必要になってしまうような地域等は、ある程度除外をして、エリアを局地的に定められないかな模索しているところです。同じの都市計画区域の母都市と集落とで、条件が変わってしまうことが生じる場合があるので、そういうときは一体どうしたらいいのか、何かお考えがありましたら教えて下さい。

中出先生

新潟県の場合は、新潟市と周辺市町村がそのような関係で、かつ合併したら一緒になります。新潟市が 34 条 8 の 3 を定めたいと言ったときに新潟県は同じ基準にするようにしてくれと待ったをかけている最中です。新潟県は今の既存宅地の認定集落をそのまま 34 条 8 の 3 に以降はするとしています。但し既存宅地制度と同じで、 34 条 8 の 3 は領域を指定すると、その中ではなんでもできてしまい、市街化区域の拡大分を超える宅地が供給されてしまうので、新潟県は県の都市計画運用方針の中に既存宅地と同じ部分のみ 34 条 8 の 3 を認めるということで進めたいとしています。新潟市も同じようにしてほしいと伝えています。ただ新潟市は区域を決めて、全てを入れればよいとしようとしました。新潟市は線を引く場合、全部宅地化されているところにすればそれでよいのです。合併しようとしているところは、大網をかけた状態になり、農用地区域が大量に含まれることになるので、合併して荒廃したときの問題が大きいため、新潟県がそれを止めています。ですから 34 条 8 の 3 というのは、 34 条 8 の 4 以上に二重線引きの色が濃いわけで、誰でも建てられてしまうというところに問題があります。すでにもう昭和 62 年の規制緩和で誰でも建てられるようになっていて、今更にひどい状態になりつつあるので、一応の基準として宅地としています。但し宅地の解釈として拡大解釈はあり得ると考えています。

北原先生

新潟市としてはそれに同調しているのですか。

中出先生

まだ条例は議会にかけていないはずです。

北原先生

もし条例をつくるとしたら、ゾーンでかぶせるのではなくて、あるポイントで、宅地のところだけをかけるのですか。

中出先生

34 条 8 の 3 はゾーンを定めなければならないわけです。ゾーンで定めるのですが、ただし現宅地であるというようなところしか認めないということにするのだと思います。


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