東北地方の地方都市における「コンパクトシティ」とは何か/「コンパクトシティ」実現に向けた方策は、どんなものか
北原先生

ありがとうございました。
今日はそれぞれのやっていらっしゃることに近い、地方の都市計画の問題としては非常に核心の部分が出てきたと思うんですけれど、いかがでしょうか。はい、お願い致します。

岩手県

今の話の関連ですと、岩手県でも大型店の出店が非常に強い状況です。白地地域に専らいわゆる大手が5ha〜10ha規模で田んぼをつぶしての出店が相次いでいます。それから盛岡市周辺の調整区域なんですけれど、首長さんの独断で、どうにかしろという法令を出しておりまして、県としては非常に苦労している。そういう場合には市街化区域に編入するっていう方策を探るという形になっています。県では産業振興や雇用創出ということを、知事が高らかに掲げている事情もあります。そういう中で、実際に都市計画を担当しているものとしては、非常に苦労している部分が多いという状況がございます。

それから私は直接都市計画を担当したのが今年からなのですが、数ヶ月やってみて、農業の方が本当に農地を守ろうとしているのかという気持ちを持っています。農地についても、林地についても絶対に譲れないという姿勢がなかなか無く、結局農地も林地も都市計画を担うものが守らなければならないというような状況がございます。

それから、先程瀬戸口先生から土地利用を交通の面からも考えていくというお話がありましたが、岩手県では、去年、盛岡市で自転車から発想するまちづくりということで、フォーラムやアンケート調査も行い、それを若干発展させたかたちで16年度に、トランジットモールとオープンカフェを合体させたようなかたちで、10月に盛岡市の国際みちのくミステリー映画祭と合わせまして、社会実験をやりたいと思っています。国土交通省に申請して、認めてもらっております。

県としましては、公共交通期間を活用した、いわゆるコンパクトなまち、分節化ということを目指し、取り組みを始めているところです。

北原先生

ありがとうございました。他にございますでしょうか。

先程新潟県でやられた白地地域の土地利用基本方針をつくられて、6つのカテゴリーに分けて、建蔽容積も3段階にしていましたが、最終的に変わってしまったお話がありましたけれども、県の区域MPを考える際に白地地域の規制を強めようとすることは、東北地方の土地利用を考えた場合、本来ならば議論があるはずなのですが、少し薄いなと感じてしまいます。

それから合併の話もありましたね。
わたしの方から中出さんにお聞きしたいのですが、新潟は結構合併が進んでいるという話がありました。東北の場合は、進みかけてつぶれているケースが最近増えているのですけど、都市計画が理由になっているところもあります。例えば青森県の都市計画課の方に都市計画を理由に色々と相談が来ているというケースがあったのですね。先程のここまでが市街化調整区域で、隣が白地地域になっているような例ですね。合併していくときに、自分たちの都市計画とか地域づくりに、そのような制度が入っていることに対して不安感があって、そのような話を合併協議会の中でするしないといった話がありましたけど、新潟で合併を伴うかたちで、区域区分を持っている、持ってない等、色々な動きが実際どのように動いているのか、状況を教えてほしいのですが。


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