今先生がおっしゃった福島県北都市圏域ですが、30万弱の福島市を中心として、その周りに1万〜2万のまちが周辺にあるという関係のなかで、福島市はまちの中心部の商業が非常に衰退しているという実態がある。周辺のまちとしても、非常に人口が減っていくなかで、どうにかしてまちの活性化を図っていきたいということで、母都市と周辺のまちとに利害が対立する部分があるというのが構造ですね。そういう中でこれまで以前であれば、雇用の機会を確保するために、工業団地をつくって工場を誘致するというのが手段であったのですが、もはや工場が来ない今、まちの活性化を図るために、大型店舗を誘致して、そこで雇用機会の場を確保するというのが、周辺町村の首長さんの考え方になっています。では母都市と周辺部が非常に利害関係が対立している中、都市計画はどのようにコントロールしていくかというところをまさに悩んでいるところであります。
福島県の中で、先程の瀬戸口先生がおっしゃった「コンパクトなまちづくり」というような表現をしている会津若松市は城下町でまさにコンパクトな状況になっています。これは周辺がしっかりとした優良農地で覆われておりまして、都市が拡大したくても拡大できない状況をつくっていて、人口も11万人ぐらいで維持されています。これは周辺の農地をつぶして大型店舗が進出するのではなくて、市街化区域の中に大型店舗が立地しており、比較的コントロールされたまちになっているのかなと思います。
市街化調整区域をどのようにコントロールするのかが問題であり、更に問題なのが白地地域であり、私たち都市計画側としてはコントロールしようがなく、都市計画の限界を感じております。 |